偉大なる長兄編


 ユリアはラオウの八つ当たりから生き延びた部下を手当てしていました。
 
 「我らの思慮の足りなさが拳王様の怒りに触れました。
 あのお方の頭にあるのは、もはや天の覇者への野望ではありません。
 ただケンシロウとの勝負のみ!」

 そのラオウは、炎の前で仁王立ちしていました。
 「哀しみを知る人間こそ強者。哀しみを知らぬ人間に勝利はない
 ・・・・哀しみ・・・・」

 炎に両手を差しても、火傷を負うことすらない。
 この肉体は無類無敵。されど哀しみはこの肉体を凌駕するというのか!

 ラオウは悩みます。

 ―ユリアを想うケンシロウの心…
 俺を恐怖させたもの…
 それは……愛か!

 「ならばケンシロウに勝つ道は一つ!」
 ラオウが下した決断とは…

 
 鳴り響く雷鳴に、
 「五車を失った天も哀しんでいる」
 と勝手にリハクを殺すユリアの背後にラオウは立ちました。

 「このラオウ、いまだ愛を知らぬゆえに哀しみが見えぬ。…知るすべは一つ!
 ユリア!お前の命をくれい!」
 
 
 そして…ケンシロウとリン、バットはうろうろしていました。
 
 すると向こうから、黒王が単身でやって来ました。

 ケンシロウの前でひざまずく黒王。
 ラオウが用意したタクシーだと理解したケンシロウは、
 「お前達が最後の戦いの解説役を務めるのだ」と
 リン、バットを連れて黒王にまたがるのでした。

 
 黒王が向かった先は、「北斗練気闘座」。
 何やら北斗セミナーっぽい名ですが、北斗の決着をつける場だそうです。

 そこではラオウが仁王立ちしていました。

 「うぬの骨と北斗一八〇〇年の歴史を葬るにはここより他に場所はない!」

 「ラオウ、お前が天を握ることはない。野望と共にこの地に眠るがいい!」

 自信満々のケンシロウ。前回圧倒してましたからね。
 
 「もう天などどうでもよい!」
 そういうとラオウはマントを放り投げました。

 「いや、俺が望んだ天とは、貴様だったのかも知れぬ!」

 ラオウが目指したもの、それは最強であること。
 ケンシロウが伝承者と言うなら、その北斗ごと否定し、
 自らが最強の伝説を作る、それがラオウの野望でした。

 「最強の北斗を屠る者の名はラオウ!」
 ラオウが拳を繰り出しました。

 ラオウ相手に遊んでいる暇はありません。
 ケンシロウは初っ端から夢想転生で迎撃です。

 「北斗究極奥義、夢想転生の前には死あるのみ。とどめだ!」
 一話で宿命の対決を終わらせようとするケンシロウでしたが、
 なんとラオウはケンシロウの拳をすり抜けました。

 「ラオウ…きさま、夢想転生を!」

 「この俺もこの心を血に染めて哀しみを背負うことが出来たわ!」

 そう言うとラオウは仁王像を指しました。
 見ると、そこにはユリアが眼を閉じて倒れていました。

 ケンシロウが確認したところ、どうやら死んでいるようです。

 「生まれて初めて、女を手にかけたわ…
 だが!ユリアの命がこの俺に夢想転生を吹き込んでくれた」

 
 ―回想―

 
 「俺はいまだ愛というものを知らぬ。お前を失って初めて知ることが出来るかもしれぬ。
 今の俺にはケンシロウしか見えぬ。この世にケンシロウしか見えぬのだ!」

 「ラオウ…」

 「ユリア、恨んでも構わぬ!」

 ズン、とラオウがユリアに近づいた瞬間、ラオウの足を矢が貫きました。

 また矢かよ!と振り返ると、ラオウの部下が放ったものでした。

 「私たちはどうなって構わない、しかしその方にだけは手をかけないでください!」
 と懇願する部下達。

 「うぬらもユリアの慈母の宿星に打たれたか!だが聞けぬ!狂者と言われても構わぬ。
 俺にはユリアの命が必要なのだ!」

 ケンシロウのことで頭がいっぱいのラオウは、聞く耳持ちません。

 ユリアはそんなラオウを見つめた後、ラオウの矢傷を手当てしました。

 「この傷が気になってはケンと十分に戦うことが出来ないでしょう」
  
 「ぬ!?」

 「峻烈な男たちの戦いの為に私がしてあげられるのは、心置きなく送り出すことだけ。
 私に見つめられていては突きにくいでしょう」
 そう言うとユリアはラオウに背を向け、「私も天に帰りましょう」と両手を合わせました。

 その後ろ姿に、ラオウの頬を伝う涙。 

 「む!?」

 涙!こ…このおれが!

 
 ―回想の回想―

 
 ケンシロウといちゃいちゃしているユリアを、遠巻きに見ている
 トキと就活時代のラオウ。

 「トキ見ているがいい!必ずユリアをこのラオウのものにしてみせる!
 ユリアもまた俺の野望の一つ!」

 「……それは野望ではない…愛だ!ラオウ」

 「なんやて!?」

 「今はわかるまい。だがいずれそれは涙となってその心を突き動かすであろう…」 

 
 ―回想の回想終わり―

 
 あ…愛…こ…れが!

 愛ゆえに、俺はユリアを追い続けていたのか…

 ユリアに手をかけるべきか、迷うラオウ。

 しかしケンシロウとユリア、二つを望むことはできません。
 大体ユリア、ケンシロウの女ですからね。

 「このラオウの生き方は一つ!」

 刮目するラオウ。決断は下されました。

 「許せユリア!我がうちに哀しみとなって生きよ!」


 …天は泣き、豪雨が降り注ぎました…

 ラオウは動かないユリアを抱きかかえ、まだ涙が残っていた…と呟くのでした。


 ―回想終わり―

 
 「今…すべてが終わる!」

 「永かった…」

 ケンシロウもラオウへの怒りはありません。
 強さへの渇望は誰よりもわかるのでしょう。

 
 その頃、ラオウの部下たちは武器を燃やしていました。

 「愛する者を涙してまでその手にかけた…ラオウ。
 それを見てみな戦いの無残さを知ったのだ…そして愛の強さを!」
 呟くリハク。

 武器を捨て、家族を抱き締めるラオウの部下達。モヒカンがいねえ。

 「我ら五車の星、最後までユリア様を守ることはできなかった。
 だがユリア様は、永遠に彼らの心の中に生きるであろう」


 リハクが涙をこぼしている頃、ラオウは昔話を始めました。

 「思えばここが俺とお前が初めてユリアと会った場所でもあった…
 お前はまだ拳法の修行はおろか、道場へ入ることも許されていなかった…」


 ―回想―


 ケンシロウを痛めつける子供拳王。

 
 一方でリュウケンは南斗の将となる子供を紹介されていました。
 ところがユリアは胎内に感情を置き忘れてしまったので、
 なんのリアクションもありません。

 南斗と北斗は表裏一体なので、ここへ来たら何か変わるかも、と
 言うわけで、まあ一応リュウケンが伝承者なんですが、
 ユリアには毛の先ほどの変化も見られません。
 そんな中ケンシロウがラオウにふっ飛ばされてきました。

 「ラオウ、うぬはケンシロウに拳法を…!なぜ禁を破った!」
 怒るリュウケン。

 「才なき者はいずれ拳を奪われ、ここより追放されましょう!
 今のうちに引導を渡した方がこやつの為。ケンシロウに才はありませぬ!」
 痛烈にリュウケンを皮肉ったラオウは、「その子は?」とユリアを訝りました。

 ラオウと眼があった途端、毬を落としてしまったユリア。
 ケンシロウはその毬を拾い、ユリアに返してあげました。

 するとユリアに電撃が走り、ユリアの顔に笑みが戻ったのでした。

 (「ラオウが誘い、ケンシロウが心を開け放ったわ…
 北斗の宿命を持つ男ラオウ、ケンシロウ、だが北斗二人に南斗一人…
 いつの日か天を二分して…」)
 と心配するリュウケン。トキ、ジャギよ…

 
 ―回想終わり―
 

 「あの日から、闘いは始まっていたのだケンシロウ。
 来い!名もいらぬ、光もいらぬ、このラオウが望むものは拳の勝利!」

 夢想転生モードで繰り出される拳、蹴り。
 交錯した瞬間二人は血塗れです。

 「心地よき痛みと言うべきか…
 我らはこの日を待ち続けていたのだからな…」

 「ぬぐあ…」

 「たがいに夢想転生を纏った今…奥義は武器にならぬ。
 いわば無!ゼロに戻ったのだ!ならばこの闘いは赤子の闘いと同然!
 行くぞっケンシロウ!」

 ラオウがケンシロウの胸を突くと、ケンシロウも突き返します。
 しかし食らいつつもラオウはチョップでケンシロウをダウンさせました。

 「しかし貴様に拳を教えた身。このラオウに一日の長があるわ!」 

 ケンシロウも負けてはいません。しっかりと立ち上がりました。

 「神に感謝せねばなるまい…我が前にこれだけの男を送り出してくれたことを!」

 そう言うと二人はノーガードで打ち合い始めました。

 
 「まるで無防備に打ち合っている…変だ、ラオウにもケンにも憎しみが見えない」

 「う…ううん、それより二人とも、透き通って…ああ!」

 リンとバットには二人が子供に戻って打ち合っている光景が見えるのでした。

 このままでは二人とも死んでしまう、リンが危惧した頃、 
 ケンシロウは奥の手を出してきました。

 ラオウを見ず、ラオウの闘気を見て、それを間合いとし、
 その乱れに夢想に一撃を放つというのです。
 これはトキが得意とした戦法の応用でしょうか。

 にじり寄るケンシロウにラオウも動揺しています。
 
 するとケンシロウが涙を流し始めました。

 「もはや次の一撃が我らの最期の別れとなるだろう。
 俺もトキも同じく目指したあの偉大なる長兄ラオウ!
 この心にいまだ消えずに、焼きついている!」

 闘気の乱れを失くしたケンシロウに、ラオウの闘気は逃げてしまいます。
 ここへ来てラオウも覚悟を決めました。

 「よかろう。ならば砕いて見せよう。この拳に我が生涯のすべてを込めて!
 受けてみよ!我が全霊の拳を!」

 そう言うとラオウは闘気を消しました。

 そしてすべての力を拳に込め、渾身の一撃をケンシロウに放ちました。
 ケンシロウもこれを迎え撃ちます。

 「天に滅せいケンシロウ!」

 

 当たったのはケンシロウの拳でした。 

 この一撃にラオウは力尽き、膝をつきます。

 「ば…ばかな…このラオウの全霊の拳が…」

 「お前の心は一人。だが俺の中には長兄ラオウへの想い、
 ユリアへの想いが生きている。
 天地を砕く剛拳もこの一握りの心を砕くことは出来ぬ!」

 さらに、ケンシロウの拳は秘孔を突いていたので、ラオウは激しく血を噴き出します。

 「お前の強さは、愛を捨てた者と、心に愛を刻みつけた者との違いと…」

 崩れ落ちていくラオウ。

 脳裏に浮かぶのは、トキ!

 (「ラオウ…もう言ってもいいはずだ…
 何故言わぬ…!?
 あなたも愛を捨ててはいない!
 その心に愛を刻みつけたのだと!」)

 (「言えぬ!それだけは死んでも言えぬ!
 愛を帯びるなど我が拳には恥辱!」)

 ラオウが煩悶する中、リハクとその部下は北斗七星が激しく光るのを見ていました。
 リハク、早く行こうぜ!と促す部下に対し、リハクは
 「もう間に合うまい、間に合っても二人の闘いは止められない。
 このリハクの眼を持ってしてもラオウと言う男を読めなかった…
 あの男の哀しき心を…」
 
 果たしてこのリハクの眼を持ってしても読めなかったラオウとは?

 
 ―回想―

 
 「我が内に哀しみとして生きよユリア!」

 ラオウがユリアに手をかけようとしたその時、ユリアの様子がおかしくなりました。
 
 見るとユリアは咳と共に吐血しています。

 「ユ…ユリア、うぬは病に…」

 そう、ユリアはトキと同じく、死の病に蝕まれていたのです。

 シンに連れ去られた後、病に気付いたユリア。
 限られた命と知り、ならば何事にも抗うことなく天命の流れのままに
 生きようと誓ったユリア。

 「南斗の将動けば北斗動き、天また動く、その南斗の将の宿命のままに!」

 いや、五車星とか結構頑張ってたと思うんですが、まあそんな感じです。


 ラオウはそんなユリアに激しく動揺します。
 「それで自ら動かずじっと待っていたというのか。己の幸せを放棄して…」

 「この私の命でこの世に光をもたらすのであれば…」

 そう言うと再びユリアは両手を合わせました。
 「さあ、天へ送ってください」

 
 「な…なんという女よ!」
 たまらずラオウは涙を滂沱として禁じ得ません。

 「殺せぬ。このラオウに、この女は捨てることは出来ぬ!
 ユリア!!うぬへの愛を一生背負って行ってやるわ!」
  
 そしてラオウはユリアの秘孔を突いたのでした。

 
 ―回想終わり―

 
 「そしてラオウはユリア様の秘孔を突き、仮死状態にして病状を停止させたのであろう。」
 リハクの解説が続きます。

 「ユリア様を殺しては夢想転生はまとえぬ。ユリア様への愛…
 哀しみがラオウに夢想転生を…」

 いや、それだけじゃ伝承者のケンシロウの方がつよいじゃねえの?と部下が横やりを入れますが、

 「ラオウもまた伝承者の資格を持っていたということだ。
 皮肉にも天は二人の伝承者をこの世に送り出してしまった」
 と言い返しました。

 当て馬のジャギを除けば、三兄弟のうちだれもが有資格者だったのでしょう。
 それにしてもただユリアを殺したのでは、夢想転生をまとえなかったとは、皮肉な話です。

 
 こちらは致命傷を負ったラオウ。たまらず膝を突き、まぶたに浮かぶトキとの会話が続きます。

 (「この拳に殉じた拳王、北斗の長兄、ラオウが愛を背負ったなど恥辱!
 もし背負ったのなら今の俺はケンシロウとすべてにおいて五分…」)
 
 (「もういい兄さん。勝負はこれまでだ」)

 「ならん!俺は北斗の長兄!死にも誇りがある!」
 そう叫ぶと、ラオウはガタつく足を叱咤し、トキも使った刹活孔を突いて立ち上がりました。
 
 「ケンシロウー!
 このラオウまだ死んではおらぬぞ」

 にじり寄るラオウ。そんな兄を、ケンシロウは哀しい目で見つめます。

 
 壮絶な戦いに、悲鳴を上げるリン。
 そのとき、ユリアの手がピクリと動きました。

 まさか!リンはユリアの胸に耳を当てました。

   
 「ケンシロウ!貴様と俺はすべてにおいて五分のはず!我が拳で砕けぬはずはない!」

 末弟のケンシロウを互角と認めるまでに、どれほどラオウが葛藤したか
 想像に難くありません。
 そしてラオウはケンシロウに対し両突きを放ちました。

 
 ・・・が、ケンシロウに当たる寸前、拳は止められました。

 ニヤリと笑うラオウ。
 「既に見切っておったか!我が拳にはもはやお前を砕く力など残っておらぬことを…」

 「ラオウ」
 ケンシロウはラオウの手を取りました。

 「今こそ悟った!お前は今日まで死を見切って生きてきた。
 熾烈なる強敵(とも)との闘いの中で、生と死の狭間を見切ったのだと!」

 
  
 ケンシロウの脳裏に浮かぶ、強敵たちの顔。

 
 「フ……強敵(とも)か…
 俺には強敵と呼べる男はトキしかいなかった…」

 既にラオウは立っているのもやっとの状態です。
 そして、震える手をケンシロウに伸ばしました。

 「見せてくれ…このラオウを倒した男の顔を」 

 ラオウはケンシロウの顔を包みました。

 「フ…フフ、見事だ弟よ!」

 「兄さん」

 ラオウが拳王となってから、恐らく初めて呼ぶ、兄。
 

 そのとき、ユリアが眼を開けました。
 「ケン!ユリアさんが、ユリアさんが生きている!」

 まさかの蘇生に驚愕のケンシロウは、ラオウに「行けーい!」と背を叩かれ、
 フラフラとユリアの下へ歩きました。

 「ケ…ケン…」

 「ユリア……」

 「ユリア!お前の命はあと数年は持とう!
 残る余生、ケンシロウと二人静かに幸せに暮らせい」

 「ラ…ラオウ」(ユリア)

 「ラオウ」(末弟)
 いや、ここは「兄さん」でしょ。

 
 「さらばだケンシロウ。俺もまた天へ!トキの下へ帰ろう。」
 ラオウはそうほほ笑み、両手を天にかざしました。

 「このラオウ、天へ帰るに人の手は借りぬ!」

 ラオウは体をスパークさせ、すべての気を天に放ちました。


 「我が生涯に一片の悔いなし!!」

 

 こうして拳王の生涯は全うされました。ラオウらしい最期です。

 
 「巨星落つか…」
 リハクはラオウの死を天によって見ていました。

 「見るがいい、今この世に光が蘇ったのだ」
 リハクが示す先には、笑顔で行きかう人々が。モヒカンがいねえ。

 「だがラオウ、ケンシロウ、ユリア様がいなかったら、この世は永遠に、
 闇に閉ざされていただろう」
 ちょっとユリアを持ち上げ過ぎな気がします。


 ―ケンシロウ達はラオウをトキの墓の隣に埋葬しました。
 
 「ラオウよ、俺にはあなたが最大の強敵(とも)だった」
 ケンシロウは墓を見つめ、呟きます。

 「…この暴力の荒野は、恐怖によって統治するより術はなかった。
 しかし恐怖による統治に真の安らぎはありません。
 統一を果たしたラオウは、自分が愛を持つ者に倒され取って
 代わられることを願っていたのでは…私にはそんな気がしてなりません」
 そうユリアは涙をこぼしました。
 いや、彼はモヒカン使ってやりたい放題でしたよ。

 
 「ラオウよ、トキと共に眠れ…
 俺はあなたの生きざまを胸に北斗神拳伝承者として生きよう!」

 ケンシロウはユリアをお姫様だっこし、リンとバットに背を向け歩いて行きました。
 黒王もついていきます。

 バットも慌ててついていこうとしますが、リンに止められました。
 「絶対に追わないって約束したでしょう!二人だけにさせてあげて…二人だけで静かに…」

 幼い子供を二人置いて、大人だけで静かにいちゃつこうとする男、それがケンシロウ!
 
 「でもいつか…いつかきっとケンは帰ってくる…きっと…」
 リンは自分に言い聞かせますが、ケンシロウ達は黙って去って行きました。
 あの、拳王亡きあとの統治は…?
 
 
 ケン「いちゃいちゃしようぜ!」
 ユリア「いちゃいちゃしましょう!」


 第一部 完 (おいおい!)
  

 偉大なる長兄編 終