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 哀しさの力編

 
 「将の正体はユリア!」

 ジュウザの踏ん張り具合から正体を推察したラオウ。

 ジュウザの頑張りが逆に仇となってしまいましたが、
 黒王を駆って全力でユリアの下へ走って行きました。
 
 
 一方ケンシロウもモヒカンを散らしながら徒歩でユリアの下へ。
 
 ジュウザの頑張りもあって、先にケンシロウがユリアの城に
 到着しそうになったので、回想シーンを挟んで間を持たすことにしました。

  
 ―回想シーン:フドウのモノローグ―

 
 「シン、これ以上の殺戮はやめて…この命と引き換えに!」

 ビルからダイブするユリア。

 ようやく嫌われていることに気付いたシンは泣きながら階段を下りますが、
 1Fに着いてみるとそこには傷一つないユリアが眠っていました。
 
 ユリアを助けたのは五車星の一人海のリハク、山のフドウでした。
 五車星の仕事は南斗の将を守ることなのです。
 
 このシンが守り抜いて見せるわ!と意気込むシンでしたが、
 ラオウが近付いている!との報にシンは
 「そりゃかなわん!」とユリアを引き渡しました。

 「ユリアが死んだとなれば、ラオウも追うまい。」
 なんとシンはユリアを死んだことにして、ラオウの手から守ろうという
 作戦を取ったのです。

 敢えてユリア殺しの悪名を被ったシンは、色々あってユリア百式を発注し、
 ケンシロウに殺されることになります。

 
 ―回想終わり―


 そんなことがあったのか…と思い耽るケンシロウの背後に、
 いいタイミングでラオウが現れました。

 「ジュウザの魂を蘇らせる人間はユリアしかいない!お先!」
 とパンチで扉を破り、黒王ごとユリアの城に突っ込んで行きました。 

 ケンシロウに負けず劣らず、雑魚の皆さんをジェノサイドしながらあっという間に
 ユリアの待つ上階へとたどり着いたラオウ。流石に馬は早いです。
 
 ユリアたん、はぁはぁ…とにじり寄るラオウは、襲いかかる海の兵団を
 片手を振るっただけで惨殺!雑魚殺しはケンシロウより上かもしれません。

 眼前には仮面を被ったユリアがいます。

 「永かった…あの日あの時、お前が俺の心に焼き付いてから・・・」
 と、どうせケンシロウは牛歩戦術で遅くなるので回想で間を持たせるのでした。

 
 ―回想―
 
 
 まだ高2のラオウ。
 「もうちょっと秘孔避ける練習しろよ」
 とリュウケンにフルボッコされ、道場に放置されてしまいました。

 殺す気か…
 と立ち上がることもできない全身ボロボロのラオウでしたが、
 その背をそっと雑巾で拭く手が…

 ふと眼を開けると、そこにはユリアがほほ笑んでいました。
 どう見ても幼女です。

 この時ラオウは決めたのです。ロリコンでもいい。ロリコンの何が悪い!と。

 
 ―回想終わり―

 
 「俺はついに天を握った!迎えに来たのだユリア!」

 とにじり寄るラオウですが、突然ユリアの仮面を地獄突き!

 割れた仮面の中から出てきたのは、ユリアではなくリハクの娘トウでした。

 「ユリアを守るためか!」
 ムッとするラオウですが、トウはそれだけではなく、幼き頃からラオウに
 恋焦がれてきたと涙ながらに告白します。

 「どうあってもユリア様を諦めることはできませんか?
 ユリア様の心は、ケンシロウ様にあるとわかっていても!」

 「くどい!誰を愛そうが、どんなに汚れようが構わぬ!
 最後にこのラオウの横におればよい!」

 衝撃的な名言を放つラオウ。風俗嬢に言ってみたいですね。

 このマンガの男がどいつもこいつもユリア一択なのは、ユリアの星が
 慈母の星なので、母親を知らずに育った北斗兄弟はユリアに惹かれしまうのだそうです。
 ようするにマザコンなわけです。顔が同じでもマミヤではダメなのですね。
 
 ラオウを諦めきれないトウは、短剣で自らの喉を貫いてしまいました。

 「こうすれば、あなたの心の中に少しでも私のことが…」 
 息絶えるトウ。

 「馬鹿な女よ…想いが届かぬならなぜこの俺を殺さぬ!
 殺せば二度と誰の手にも渡らぬわ!一生お前の中に生きよう!
 このラオウの想い届かねばユリアにも死あるのみ!」

 荒ぶるラオウの絶叫!思考は完全にストーカーです。

 ユリアー!と叫びながら暴れる迷子のラオウ。

 そこ立ちふさがったのは五車星の軍士、リハク。
 
 


 ブービートラップでラオウを攻撃しますが、
 
 
 

 
 
 
 忍者みたいな防ぎ方されてしまいました。

 
 リハクが海よりも蒼白になっている中、ケンシロウはユリアの部下に連れられて
 この部屋で待機するよう指示されました。

 ここでユリアと落ち合うと言われましたが、ラオウ倒さなきゃ追いかけてくるだろ!
 と片手に巻いてあるトイレットペーパーを千切り、ユリアへのメッセージとしました。

 ケンシロウと入れ違いに入ってきたユリアは、トイレットペーパーを見つけると、
 ここで待つことを決意するのでした。

 
 さあ、リハクを喉輪で攻めていたラオウに、ケンシロウが立ちふさがりました。

 「狂える暴凶星、死すべき時は来た!」
  
 「哀れな!ついにユリアを諦めたか!」

 リハクは息も絶え絶えにお前じゃ無理だ!とアドバイスしますが、
 世紀末救世主にそんな忠告は通じません。

 まずはラオウの左ストレートにカウンターを華麗に決めました。
 
 「もしや今の技は!ケンシロウ様がこれほどとは!読めなかった、
 このリハクの目を持ってしても!」

 あっさりと前言撤回です。ていうかどのリハクだよ。

 ラオウが歯噛みして悔しがると、図に乗るケンシロウは
 「立てい!天に帰る時が来たのだ!」とポーズを決めます。これはむかつきますよ。
 
 今の油断だから、と今度は蹴りを繰り出すラオウ。
 これはガードしましたが、続けて諸手突きを放ち、ケンシロウはなんとかガードしました。
 
 今度はこっちの番とばかり、ケンシロウはハイキックを繰り出すも、
 見切られて転がされてしまいました。

 そして追撃の拳がケンシロウを襲ったと思ったその瞬間、ケンシロウの目が妖しく光る!

 
 
 なんと気がつけば寝ていたはずのケンシロウが後ろに立っていました。
 
 おかしいな?と裏拳を放つラオウ。ところがこれも不発。

 闘気が流れている!
 こ、この動きは…トキ!

 
 
 トキの拳を使うケンシロウ!
 
 焦ったラオウは北斗剛掌派を放ちますが、
 これも避けられ、カウンターの斬撃を食らってしまいました。
 
 
 「これは…レイの拳!」

 「奴の肉体は二度砕けているはず!実体を空に消し去ったというのか!」

 ピンチのラオウ。ここでラオウはケンシロウの目に気がつきます。

 
 

 「何という哀しい目だ!
 これはまさか、リュウケンが最期に言った…
 北斗神拳究極奥義、夢想転生!!」
 いや、普段から彼はこんな仏頂面な気もしますが、ここは回想シーンに任せましょう。


 ―回想―

 
 リュウケンを倒した直後のラオウは、最後の質問として
 究極奥義、夢想転生とはどんな奥義か尋ねました。

 ところが北斗千八百年の中でそれを体得した者はおらず、
 リュウケンも教えることが出来ないのでした。

 「ラオウ、うぬがいかに強大になろうともこの奥義だけはつかめぬ!
 何故ならばうぬは…あまりに強大なその野望ゆえに…哀しみを知らぬ…
 それは哀しみを背負った人間のみがなしうる…」

 
 ―回想終わり―

 
 

 
 強敵(とも)との闘いを経て、哀しみを身につけていったケンシロウは、
 北斗千八百年の歴史の中、最強の男となったのでした。

 「ラオウ、トキが待っている」

 「ケンシロウが最強など、万人が認めても、このラオウだけは認めぬ!」

 いきり立つラオウでしたが、何故か足がプルプルします。

 「それが恐怖というものだラオウ!」

 宿命の対決において、初めて恐怖を知ったラオウ。
 幼い頃からボコボコにされてきたリュウケンは別に怖くなかったのでしょうか。

 
 ―回想―


  「キムよ、去るがよい!お前の腕ではこれ以上の修行は無用!」

 真冬にリュウケンが養子をリストラしていました。

 失意にくれるキムが今夜の寝床を探していると、ショタのケンシロウが  
 「お元気で」後は俺に任せろ、と別れを告げに来ました。

 むかついたキムはケンシロウにビンタしますが、ケンシロウはただただ哀しい目で
 答えるのでした。

 結局ケンシロウに礼を告げ、去っていくキム。

 これを背後から見ていたトキとラオウは互いに感想を言い合います。

 ラオウ「また他人に同情しておるのか。愚かな奴だ。情けは拳を曇らすのみ」

 トキ「他人の哀しみを知る人間はそれを自分の力に変えることが出来ると
 師父リュウケンから聞きました。私もそう思います」

 ラオウ「フハハハーッ!バカめ!良いかトキ!
 武に生き覇者となるに一片の情けも無用!
 天はケンシロウよりラオウの生き方を選ぶ!肝に銘じておけい!」
 …と高らかに言い放った専門学校の頃のラオウでしたが…

 ―回想終わり―

 
 「あれが黒歴史というのか!
 この俺が恐怖を!末弟のケンシロウごときに!」

 ジャギではありませんが、弟に負けるって結構屈辱なのでしょうか。

 「俺に後退はない!あるのは前進勝利のみ!」
 認めたくないラオウは北斗の長兄を旗印に、とっておきの「天将奔烈」を繰り出しました。

 「俺にも後退はない!」
 なんとこれをケンシロウは全力で受けます。 

 己の死を始めて覚悟したラオウは、目を閉じ、精神を統一してケンシロウに挑みかかりました。
 
 ところがリハクが仕掛けておいた最後の仕掛けを、ラオウが偶然踏んでしまったからさあ大変。
 ラオウの足元が崩れ、ラオウは吹き抜けの階下に真っ逆さまに落ちて行ってしまいました。
 
 流石に血塗れのラオウ。リハクのくせに生意気だ!と唸りますが、なんとそこには愛しの君が!

 そう、ケンシロウとの闘いの間は、ユリアとケンシロウの逢引の間へと通じていたのです。
 
 「マンモスラッキー!」
 ラオウはユリアを攫い、黒王に乗って全力で逃げて行きました。勝負はいいのでしょうか?
 
 不運なのはケンシロウでした。戦いを邪魔され、ユリアまで奪われた上、
 崩れる天井からリハクを庇ったせいで一時的に視力を失ってしまったのです。

 「あなたの力を読めなかったばかりに余計なことを…海のリハク一生の不覚!」
  
 いちいち二つ名を名乗る面倒臭いリハクでしたが、ケンシロウは目を閉じたまま
 「いいんだ」と一言。珍しく男前です。

 おまけにこの状態でラオウを追うことを宣言。
 
 「かつて目は見えずとも闘い続けた男がいた。その男も俺の中に生きている」
 
 まさかのシュウフラグ回収に熱い展開です。

 「今のラオウは手負いの獅子!今倒さねば触れるものすべてを打ち砕く
 荒れ狂う暴凶星となろう!」


 その夜、ラオウはケンシロウの夢にうなされていました。

 気がつくとリハクのダメージ床で負った傷の手当てが。
 「これはうぬが?」と太鼓持ちのウサに訊ねたところ、
 意外にもユリアの仕業だというのです。

 「まだ戦おうというのですか。もう勝負はついたはず」

 そう言うとユリアは去って行きました。
 
 勝負を見てもいないくせに負け犬呼ばわりされ、我慢ならないラオウ。

 You!やっちゃいなよ!

 
 おまけにこんな茶々を入れられてしまったので、拳王の怒りはあっという間に沸点へ。

 「心魅かれた女の情けは男にとって最大の屈辱!」
 うさ晴らしにウサを殴り殺し、拳王の名を捨て、
 魔王となってケンシロウを倒すことを月に誓うのでした。

 
 ―ユリア誘拐!その凶報はフドウの下へ届きました。
 
 おまけにケンシロウは目をやられているという、このピンチに、リハクの部下たちは
 フドウを頼りにしてきました。

 しかし俺には子供たちが…と悩むフドウでしたが、当の子供たちはフドウの肩パットを
 みんなで持ち出して来たではありませんか。

 「戦って…父さん!僕たちは父さんの息子だよ!」
 
 健気な子供たちに、涙するフドウ。
 
 そこへタイムリーに飛び込んできたのは、まさかのラオウ!

 「うぬが動かずともこちらから出向いてやるわ!
 この肉体より恐怖を拭い去り魔王となるには、うぬの拳と命が必要だ!」

 どうやらフドウとラオウには何やら因縁があるようです。

 「万人に慕われる善のフドウ。だが今の俺に必要なのは、うぬの中に流れる鬼の血!」

 「何故鬼の血を望む?ケンシロウとの対決を前に恐怖したか!」
 
 痛いところを突かれたラオウは、戦わないなら子供達は皆殺しだ!と誤魔化しました。

 「フォローミー!」フドウは戦いの場へと歩き出しました。

 フフ…かつてこのラオウが、唯一その存在に恐怖した男よ!
 ちゃんと恐怖知ってたじゃないですかラオウさん。


 ―回想―

 なんとか真理教?
   
 まだラオウがジェームズディーンだった頃、フドウは強いモヒカンでした。
 雑魚の皆さんを蹴散らし、降伏宣言も許さないフドウ。

 リュウケンは、そんなフドウに「おぬし、ものの命を何と心得る?」と禅問答。
 
 「考えたことなどないわ!」とフドウは一蹴し、リュウケンとの約束通り
 食料と金(世界崩壊前)を貰って行こうとしました。

 この傍若無人ぶりに、リュウケンのそばで控えていたヤングラオウは
 メンチを切りますが、ひと睨みされたのでそのまま控えていました。

 「ラオウよ、動けぬか…フ、鬼には勝てぬか」
 と、自分も動けなかったリュウケンはニヤつくのでした。

 
 ―回想終わり―

 
 ―あの時の眼…まさに鬼神の眼。動けなかった。このラオウが…
 ケンシロウに抱いた恐怖を拭い去るには、お前の鬼の気を呑みこむ以外ない!

 ―確かにあの頃は、倒し奪い、喰らい飲む悪鬼の生活だった。だがあの時!

 
 ―フドウの回想―

 
 フドウの無双時代、食料庫と思しき建物に押し入ろうとするフドウ。
 雑魚を屠りながら迫るフドウの前に、立ちふさがったのは幼きユリア!

 この俺が怖くないのか!と拳をチラつかせるフドウですが、ユリアは
 頑なに退こうとしません。

 フドウは業を煮やし、強引に扉を開けましたが、そこにあったのは
 食料や財宝ではなく…犬と生まれたばかりの仔犬でした。

 このガキが命がけで守ったものは…?何故…?
 
 ユリアは首を傾げるフドウの掌に仔犬を乗せ、
 「暖かいでしょう。これが命よ!」と微笑みました。

 「命…」
 
 「あなたも私も、こうやって生まれてきたの…」

 父も母も、命も知らなかったフドウに、命を教えたユリア。

 そんなフドウを見て、「鬼が負けおった…」とリュウケンはドヤ顔で呟くのでした。戦えよ!


 ―回想終わり―


 …俺はそれまで命などはウジ虫の如く湧き出るものと思っていた。
 そして世紀末の前から世紀末していた!
 しかし俺はその仔犬のあまりのか弱さに、ただたじろいだ…
 そして幼かったユリアに知るはずもない母を見た!

 モノローグと共にフドウが取りだしたのは、まさかのモヒカン時代のコスチューム。

 …その日よりほどなく俺はモヒカンを封印し、南斗慈母星に仕える五車星の男として
 生きることを誓った!
 だが、今その封印を解く時が来た!
 お許しくだされ、ユリア様!
 このフドウ、けがれなき命の為に、鬼人となって戦おう!

 フドウが世紀末を取り戻しました。

 「恐怖など飲みこんでくれよう。貴様の血と共に!」

 さあ、拳王返上の覇王VS強いモヒカンです。

 まずはフドウのリハビリとして、ラオウは部下を差し向けますが、
 フドウのコンディションは万全でした。

 「このラオウの体、一歩でもここより退いたら、容赦はいらぬ!
 この背に向かい全矢打ち放てい!」
 とデッドラインを定めるラオウ。恐怖を克服するための戦いですから、一歩でも引いたら負けなのです。
 北斗神拳って矢に弱いですから、ラオウといえど死ぬと思います。


 一方ケンシロウはラオウの居城で、ビンタでモヒカンにラオウの居所を吐かせていました。

 フドウの村に向かったことを知り、焦るケンシロウ。
 後先考えず単独で行動するからこのざまです。

 
 場面変わって、こちらはラオウとフドウ…おや、
 目を離した隙にフドウはボロボロです。やはり実力に差がありすぎるか。

 …恐怖など微塵も感じぬ!この拳王、かつてのラオウとは違う。
 ケンシロウに感じた恐怖など、気の迷いに過ぎなかった…

 拳王の名も取り戻したノリノリのラオウ。
 ガキと共に死に果てるがよい!と非情さも合わせて死の宣告です。

 「どうかな、貴様が俺の中に鬼を見るのはこれからだ!」
 そう言って飛び込むフドウ。
 
 しかし悲しいかな、実力の差は歴然です。

 ラオウの両突きを胸にめり込ませ、膝をつくフドウ。

 「これが鬼の拳か。やはり情は拳を曇らすのみか!」 
 ほくそ笑みながら拳を抜こうとしたラオウでしたが、なんと拳が抜けません。

 眼前に迫ったフドウの眼、その哀しき眼光こそ、ラオウが恐怖したそれでした。

 動揺しているすきに羽交い絞めにされたラオウでしたが、力づくで拳を引き抜き、
 フドウに渾身のチョップを放ちました。

 
 一方ケンシロウはモヒカンと遊んでいました。
 拳王軍団のジャドウ、と珍しく名乗りを許されたモヒカンを屠ったケンシロウは、
 あっという間に目が治り、フドウの頑張りが無駄になるのでした。
 

 こちらはチョップを受けたフドウ。しかし羽交い絞めを解こうとはしません。
 「やすやすと秘孔は突かせぬぞ!」と渾身のサバ折り。

 「憎しみでも怒りでもない!この眼気を生むものは何だ?」
 
 焦るラオウはフドウの秘孔を突き、ふっ飛ばしますが、
 子供たちの応援を得たフドウは何度でも立ち上がります。

 ラオウとの力比べも互角に渡り合いますが、肘打ちで秘孔を突かれ、
 激しい出血に崩れ落ちます。

 「終わった…フドウ、うぬの血が俺から恐怖を洗い流したわ。
 この線も無用だった。俺に後退はあり得ないのだ」

 とラオウが足元の線を振り返った瞬間、またも立ち上がるフドウ。
 
 「貴様の肉体は既に死んでいるはず!何がこれほど?」 

 「貴様にはわかるまい。たとえこの体が肉片、いや、
 血の一滴になろうと戦い続けるだろう」

 「愚かな男よ。よかろう!見事この俺をここより退かせて、弓を射させてみよ!」

 ラオウの背後では部下が弓を引き絞り、スタンバッている状態です。
 でかい弓なので引き絞ったままキープするのは大変です。
 北斗の拳史上、モヒカン最大の頑張りどころか。  

 「やはり何も分かっておらぬ!見るがいい!」
 フドウが指したのは己の背後、子供たちの眼でした。 

 「この歩を進ませるのはこの子供たちの心…
 お前に見えるか!この哀しき瞳に宿る力が!」

 ―か…哀しさ…!な!?こ…この眼は!!
 
 そう、そこにあった子供たちの眼は、まさしくケンシロウの眼そのものでした。

 「死ねラオウ!」

 フドウの右拳が振りかざされました。反射的に拳を繰り出すラオウ。

 ところがそれより早く、巨大な矢がフドウを貫きました。

 「まさか!?」
  
 見ると、ラオウは足元のラインを割ってしまっていたのでした。
 モヒカン、ちゃんと仕事してますね。

 「新しい矢を構えーい!」
 フドウを狙い、命じるラオウの部下達。

 「こ……この俺が、退くとは…」 
 
 「貴様は俺の拳にケンシロウの姿を見た!
 その肉体に再び恐怖が蘇ったのだラオウ!
 恐怖に硬直したその肉体は退かねば砕け散っていた!
 勝ったのは俺とケンシロウだ!」
  
 棒立ちのラオウに襲いかかるフドウ!
 しかし追撃の矢が次々とフドウに刺さるのでした。
 
 「こ…ここで俺が倒れても、その体に恐怖が刻まれている限り
 もはや二度とケンシロウには勝てぬ」

 フドウは矢を引き抜くと、膝をつきました。

 「ラ…ラオウ、哀しみを知らぬ男に、勝利はないのだ!」

 ここで駆け寄るフドウの子供達。

 「父さんは勝ったのだ…みんな強くなったな」
 そう言うとフドウは倒れました。

 完全に負けたラオウは、憤怒の形相で部下の下へ向かいます。

 「一体どうなされたのですか!まるでデクの棒のように!
 我々が射らねば、今頃拳王様は」と言う部下を殴り殺し、
 「貴様ら、何故この拳王を射なかった!」と理不尽な怒号。

 「しっ…しかか…かし、あの時フドウを射ねば…」
 と部下も必死で弁明しますが…

  

 「敗れて命を拾おうとは思わぬわ!」
 とラオウは部下に八つ当たりするのでした。


 「父さんが頑張れたのは、お前たちの力だ…
 これからはみんなで力を合わせて生きていくのだ」 

 ラオウが去り、フドウが子供達に最後の別れを告げている時、ケンシロウが現れました。
 
 ケンシロウはフドウを抱きかかえ、「父さんは勝ったんだよ!あのラオウに!」という
 報告を満足そうに聞きました。

 フドウはニコリと微笑むと、
 「これからはその手でこの子供達を、この時代を抱き包んでくだされ。
 それが山のフドウの…ほ…本望…」
 そう言って息絶えました。
 
 フドウを弔ったケンシロウは、最後の勝負に向かう決意をするのでした。

 
 哀しさの力編 終