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 メディスンシティー編


 激闘は終わった…

 戦いに疲れた戦士たちはしばし体を休めます。
 しかしその表情には物憂さが漂っていました。

 
 戦争反対!とリンがシュプレヒコールを上げると、
 バットは9条ネットワーク!と応じたりしている間に、
 レイの体はビシビシと音を立てて壊れていくのでした。

 悶絶する様をマミヤに見られぬよう、レイは席をはずします。

 マミヤは思わず後を追いかけようとしましたが、
 「行くでないマミヤ!」とトキに止められました。

 レイに残された時間はあと三日、その間にも体は徐々に破壊されていくのです。
 その姿をマミヤだけには、見せたくないのです…。

 じゃあ俺が見に行くよ!というわけでケンシロウがレイの下へ行きました。

 「すまぬ…お前まで争いに巻き込んでしまった」弱いくせにな、とレイに詫びるケンシロウ。

 しかしレイは後悔するどころか、アイリのために狼になった自分を人間に戻してくれた
 ケンシロウ達に感謝をしていると言います。

 「後は…後は死に方だけの問題だ!」

 悲壮なるレイの決意。残酷に体を蝕む痛み。

 そんな姿を、マミヤはこっそりストーキングするのでした。


 そんなストーキング行為が悪いことにマミヤの暴走心を揺さぶってしまいます。
 マミヤは単独で薬の街メディスンシティーにツーリングに行ってしまいました。 
 
 メディスンシティーとはラオウの霊薬を作るためだけに作られた狂気の街、しかも今は
 拳王という狂気のタガが外れて再び暴徒の手に落ちているのです。

 マミヤが囚われる→ケンシロウが助ける→レイが解説する、いつものパターンです。

 
 さて、メディスンシティーに辿り着いたマミヤが見たものは、ドーベルマンに腕を
 噛みつかれた子供の姿でした。

 泣き叫ぶ子供。しかし周りの男たちは手が出せません。

 そこへ一人の勇敢な男性がドーベルマンを殴り殺しました。
 このような勇敢な市民に対し、このマンガは容赦しません。
 どこぞに隠れていたモヒカンたちに回り込まれ、ボスの狗法眼ガルフに捕まってしまい
 ました。
 
 「子供の命と犬の命、どう考えても犬の方が重い!」

 ガルフは相棒のセキ(ブルドッグのでかいやつ)にこの男死刑か無罪かと極端すぎる二
 択を質問しました。

 「ウオン!」

 「そうか、死刑だな」

 というわけで殺されてしまいました。


 「ウェハハハハ、拳王なき後この街は今日より狗法眼ガルフ様のものだーっ!そしてこの
 街では犬こそ法律」 


 愛犬家に蹂躙される街!果たしてマミヤはどうなってしまうのか?


 一方その頃、ケンシロウはトキと談話を交わしていました。


 「レイはすでにメディスンシティーに向かった!」
 「うむ…」



 歩くこともままならないレイを快く送り出した北斗兄弟でしたが、今頃になって後悔した
 のかケンシロウは後を追うことにしました。

 ケンシロウがマミヤのために死ぬレイの死を見届けることを宣言するので、トキはマミヤ
 もまた、死兆星を見たことを教えました。

 そしてケンシロウはいつも通り健康の為徒歩でレイを追いかけました。非常なる健康の掟。
 まあレイがこんな状態なのであっさり追いつき、肩を貸すことになるのですが。

 
 一方マミヤは犬と戦っていました。
 スケバン奥義で犬を屠り、モヒカンを一匹やっつける強いマミヤでしたが、ここでマミヤ
 が捕まってくれないと流れ的におかしなことになるので、マミヤは捕まってしまいました。

 縛られてトゲ投げ輪の的にされるマミヤ。

 「犬こそこの世で一番尊いのだ!犬はいい、犬は忠実だ!決して嘘はつかん唯一信用でき
 る我が友なのだ!」過去に人間関係のトラブルでもあったのか、ガルフは心を閉ざしてい
 ました。

 マミヤが見上げた空には死兆星が…死兆星もこんな雑魚敵にサービスすることないのに。

 セキがワァン!と鳴いたので、死刑台を用意するモヒカン。
 今回はトゲトゲの床です。モヒカンがちょいとレバーを引いた瞬間串刺しになるという仕
 掛けです。
 
 「へへへ見ろこれを、痛そうだろう―!俺はいい女が悶え死ぬのが一番好きなんだ」
 イーヒャハハハーッ!

 「そんなに痛いんならお前が試してみろ」
 
 「え!?な…なんだてめえは!わ!ちょ…ちょっ!!」

 「おろろいれえぇ、ほ…ほんろにいれえー!」

 「何者だ貴様ら―!」

 「死ぬ者に教える名などない!」

 「いい度胸だ。この俺とやりあおうってのか」

 〜中略〜

 「まだわからんのか、今のが北斗神拳だ」

 「戦う前に分かるべきだった」

 「ええっ!そっそれでは、もしかしてもしかしてえー!お…俺はー!」

 「うむ…死んでいる」

 「いってれぼ!!」

 
 「大丈夫か…」
 レイはマミヤを助け起こしました。

 「マミヤもう戦いは捨てろ。自分の手で未来を捨てることはないんだ」

 「ありがとうレイ…でも私には戦い続けなければいけないわけが…」
 
 戦い続けなければならないわけとは?
 ふとレイがマミヤの服の破れたところに目をやると、そこには「UD」の紋章が!

 「U・D…ユダだ!」
 「あの女はユダの女だったのか。可哀想に、あの女も地獄を見てきたのか!」
 一般人にも知れ渡るユダとは一体!?

 マミヤの未来を奪い、戦い続けることを宿命づけた男ユダ。
 どうやらマミヤの死兆星の本命はその男のようです。



 

 
 
  
 ユダ september


 

 メディスンシティー編 終


 

 
 おまけ〜中略の中身〜


 「ほおああっ」
 
 「ぶっぺっ、んん!?なあひっ」

 「ほおあっ!!」

 「ぎゃあ!!」

  
 
 「ひいひい、はあっ!」

 「早く拾ったらどうだ」
  
 「おおあたあ!あたたたたあ!」

 「ぶっぺきっぼっ、ぶっぱあはは」
   
 

 



 
 ユダ編

  

 ユダの本拠地。
 サザンクロスのような高層ビルで仁王立ちするユダ。

 そこへ部下が拳王行方不明情報を知らせに来ました。
 チャンスですぜと上司を唆す部下でしたが、ユダは拳王を侮るな、と慎重な様子。

 そんなユダは今日もはべらせた美女の行列を愛でますが、一人不届きな女を発見します。
 不届きな理由とは、額に傷を作ってしまった事でした。

 この世で最も美しく強いユダを愛する資格は、完璧に美しい者だけなのだ、というわけで、
 哀れ女はモヒカン共の群れに投げ込まれてしまいました。少年誌的にギリギリです。
 
 喜び勇むモヒカンたちに担がれていく女。それを見て高笑いするユダ。
 部下に嫌われる悪役が多いのも、このマンガの魅力です。

  
 一方レイは長老にマミヤの過去を訪ねていました。
 長老は面倒くさがりましたが、マミヤがいないので暴露することを決意。


 ―あれはちょうどマミヤさんが20歳の誕生日を迎えた日でした…

 はち切れんばかりの美しさをばらまくマミヤ。
 誰一人として彼女の幸せな未来を信じずにはおれぬほどでしたが、そこへ現れたのが例の
 ごとくKISSのメンバーたち。

 この女ですぜユダ様!オー、ビューティフル!両親殺したから心残りないだろ!
 というわけでマミヤはさらわれてしまいました。

 一瞬、まさに一瞬の出来事で私たちはなすすべもなく呆然と見送ることしか…
 さりげない長老の言い訳で、一息つきます。

 数日後…ボロボロになったマミヤが戻って来て以来、マミヤは女であることを捨てたのです…

 
 そんなマミヤは風呂場でリンに上腕三頭筋を披露していました。
 見ろよこの腕を、まるで男みたいに硬くなったぜ!しかしどんなに洗ってもこの小汚い烙印
 は消えぬ…と落ち込むマミヤ。

 そこへ痛む体を引きずって、レイが風呂をのぞきに来ました。
 何だ服着てんのかよ…とレイは落ち込みつつ「やはりお前は女だ!ユダは俺が倒す!」と
 哀しい愛の告白。

 しかしマミヤは愛されることを放棄した女だからと、レイの申し出を拒否します。

 それでもレイは健気にフヒヒ…とマミヤに近づきますが、これ以上私を苦しめないで!と
 Bダッシュで逃げられてしまいました。まあマミヤはケンシロウにホの字なんですけどね。

 そこへケンシロウがたまには風呂でものぞくか、とやって来ました。

 「やはりユダを倒す気か?」

 レイによると、ユダは南斗六星の一人だそうです。

 「俺は死んでいく身…マミヤの愛など求めぬ。ただ俺はマミヤのために死に、あの女の心の
 中で生きていきたいのだ。こんな時代だ男たちの命は短い。しかし女は子を産み…そして物
 語を語り継ぐ。男の戦いの物語を!」

 余命いくばくもないレイは、マミヤの心の中に生きたいと願うのでした。

 「IZAMU、いやユダ…俺の最期を飾るにふさわしい男だ!」
 

 そんなわけでケンシロウwithレイはユダの街にやって来ました。

 正直言って、レイはもう戦えない体なので、ケンシロウが先導していきます。

 とりあえず市民を虐めていたハゲにアイアンクロ―をかけてユダの居城を吐かせるケンシ
 ロウ。レイに時間がないので、いつになくいいテンポです。

 

  

 
 人望のなさでは北斗1のユダ。

 ちなみにこのハゲはしゃべったから助けてと哀願しますが、いつになく凶暴なケンシロウ
 はものすごい勢いで壁に叩き付けてました。ウイグル獄長を思い出しますね。
 
  


 その頃マミヤは長老と空を眺めていました。
 長老とマミヤが二人、これはもう長老が演説する他ありません。
 
 「マミヤさん、あなたの心に刻まれた傷もいつかきれいに洗い流されるでしょう!哀しみ
 だけの時代ではない。こんな時代でもあのような男たちがいるのです」

 長老にしては珍しくいいこと言いました。


 そんな男二人は、ユダの居城に辿り着きました。
 そこには二人の門番が「ケッ!ユダも結構小心者だぜ」
 「たった二人の男が来るというだけで部屋の警護とはな!」
 と暴言吐いていました。ユダは部下に恵まれませんね。

 ケンシロウは手際良く門番を屠り、扉が開きました。

 ところがそこにいたのはユダではなく、副官のダガール。
 しかもそこは吹き抜けの廃墟であり、ユダの姿は影も形も見えません。

 ユダはレイの命があと一日と知っていて、無駄な戦いを避けるためわざと罠にかけたのです。

 「しっ…しまったあ!」
 何とレイはうっかりユダが妖星、またの名を裏切りの星であることを失念してしまっていた
 のです。

 追い打ちをかけるようにラオウの秘孔が疼くレイ。最早ここまでか…

 「苦痛にのたうち回って死んで行くのだ!自分の愚かさを悔やみながらなヒハハハ!」
 …と、ダガールが嘲笑してしまったので、ケンシロウはいつものアレをやることに。

 しかしダガールも伊達に副官を名乗っているわけではありません。
 ラオウとの激闘で傷ついたケンシロウの左腕がまだ完治していないことを知りつつ、そのこ
 とを指摘して、ケンシロウを挑発します。

 例のごとくケンシロウは北斗やせ我慢で「貴様如き左腕一本で十分だ」と強がります。

 
 幸いダガールが絶望的に弱かったので事なきを得ました。 

 さらにケンシロウは北斗ブーメラン拳でレイと同じ苦しみを与えてやりました。
 
 ダガールは、「ユダはブルータウンだ!さあ助けてくれ!」と悶絶しますが、
 「お前も自分の愚かさをかみしめる必要があるな」と北斗放置を敢行しました。
 悪者を助けないのはこのマンガの魅力です。

 あひーと悶えるダガールを背景に、レイはユダの嘲笑う声を空耳でキャッチするのでした。

 
 ひとまずケンシロウ達はマミヤの村に戻ることにしました。
 なんと珍しくサイドカーで帰って来ています。最早レイは自力で立つことも難しいため、レイ
 を抱えて帰ってくるのは面倒だと思ったみたいです。

 そんなレイを見つめるマミヤは、トキにメディスンシティーで見つけた薬を渡すのでした。
 

 その頃ダガールは激痛による八つ当たりで部下を血祭りに上げていました。
 
 ところがそこに現れたのはユダ。ダガールが口を割ることを予想し、予め嘘の情報を耳
 打ちしていたようです。

 「おかげでケンシロウの拳を見ることができた!心置きなく死んでいくがよい!」
 副官の俺までも裏切ったのか!と憤慨するダガール。

 「裏切りではない。これは知略だ!」

 南斗六星は各々宿星を持っています。

 愛に殉ずる星、殉星を持つシン、人の為に生きる義星を持つレイ。
 そしてユダは美と知略の星、妖星!

 フヒヒ…と高笑いするユダに切れたダガールは、牙を剥いて襲いかかりますが、南斗紅鶴拳
 によって真っ二つにされてしまいました。
 
 「ケンシロウの技は見切った!今の俺ならケンシロウに勝てる!」
 フヒヒ…とご機嫌のユダ。そこに部下のコマクがマミヤも死兆星を見たという情報を仕入れ
 てきました。
 
 ケンシロウとトキしか知らないのに情報のはずですが、情報っていつの間にか漏れるもので
 すからね。
 ユダはマミヤが死んでいく運命にあるとも知らず、己の命をかけるレイにフヒヒ…と嘲笑を
 惜しまないのでした。

 
 そんな笑い声を聞いたような気がして、レイは目覚めました。
 戦うこともできず、このまま死んでいくのか…肩を落とすレイ。

 しかしトキはまだ方法があると言います。

 その方法とは、ある秘孔を突くことで少しだけ命を延ばすことができるのです。

 しかしその秘孔を突けば全身を襲う激痛は今の数倍になる、下手すりゃ発狂して死んでしま
 うかもしれないという恐怖の秘孔。

 あるいは今すぐに楽になる方法、マミヤが手に入れた薬、毒薬を飲む方法。

 果たしてレイはどちらを選択するのか…


 その頃外でたそがれていたマミヤの目の前に、現れたのは…

 
 UDの紋章を見せつけるユダ。YDかJDではなく、UD(ユーダ)という点が目すべきところ。

 「お前には北斗七星の脇に輝く蒼星が見えるのか?」

 是というマミヤに対し、それは死兆星だとネタばれするユダ。

 そに死のカギを握っているのはユダであり、ユダはそれを知らずに生き延びようとするレイ
 を嘲笑いに来たのです。どんだけ暇なんだ。

 
 ―レイが選んだのは苦痛の道でした。トキはレイを連れてプライベートルームに入ります。
 行くぞ!とレイの背中をグリグリするトキ。途端に全身をピキピキと激痛が襲いました。

 その激痛ぶりは半端ではなく、体はボコボコになり、爪は剥がれ、吐血するという凄惨なも
 のでした。





 

 …しかしレイは耐え抜きました。あまりの苦痛から白髪になりましたが、再び戦える体に
 なったのです。

 そこへユダ来襲の知らせが届きました。今こそ決着の時です。


 「死人同然の貴様などはなから眼中にはない。しかし俺と戦う資格があるか試してやろう」
 とユダは部下二人をスケープゴートにしました。

 復活したレイは以前にも増して鋭く部下をスライスしました。

 この鋭さは、マミヤへの想いからと考えているユダは、ここでマミヤが死兆星を見たという
 ネタばらしをしてしまいます。

 「どうだあ、己の思いが空回りに終わった味は!義星は所詮ピエロの星!妖星を一段と光り
 輝かせるクズ星に過ぎんのだ!」

 レイのやる気をそぐネタばれでしたが、男レイは一筋の涙を流し、
 「ならばお前の為だけに死ぬ男が一人くらいいてもいい」とカッコ良過ぎるのでした。

 「女の為に涙とは!ふぬけたか!」飛び掛かるユダ、迎え撃つレイ!

 レイはゆり、いやユダの美し過ぎる議員の顔に傷を負わせるのでした。

 


 あひー!美し過ぎる顔に傷が!発狂するユダ!

 「義星が妖星より美しく輝くことは神が許さぬのだ。今日こそそのことを思い知らせてく
 れる。俺は貴様を血祭りに上げる日を待っていた!」

 どうやらユダはなんだかんだ言って、レイにコンプレックスを持っているようです。

 あの屈辱の日からな…ユダの回想に入ります。


 ―断崖絶壁に埋めた杭の上で、レイは演武を行っていました。
 鮮やかに鷹をスライスするレイ。

 

 そのあまりの美しさに、一瞬心を奪われるユダ。
 そして後ろの二人はどう見てもホモ。

 それは生まれて初めて他人を美しいと思った瞬間でありました。

 そのことが許せないユダは、鏡を叩き割って血の口紅をするのでした。

 「この屈辱は決して忘れぬ!いずれこの手でもっとも醜く哀れな死をくれてやろう!」

 逆恨みも甚だしいのですが、こうしてユダはレイを憎むことになったのです。


 「レイよ、なぜ俺がここへ来たと思う!たかが女一人の為にやつれ果てたお前の姿を笑
 うためよ!しかもそれが俺の紋章を刻まれた明日なき女の為とは!」

 「貴様の肉体はすでに腑抜けだ。かかってこい、そして死ぬがいい!」

 「死ぬのはお前だ!貴様は南斗六星拳を崩壊に導いた男!南斗水鳥拳伝承者の名にかけて
 貴様を処刑する」

 ここで背景になっていたケンシロウが「南斗六星拳の崩壊!?」と上手いこと会話に入り
 こみました。

 レイによると、南斗六星拳は皇帝の居城を守る六つの門の衛将と呼ばれ、南斗聖拳総派百
 八派の頂点だったそうです。
 しかし核戦争後、六星拳は平和を望む者と覇権を目指すものに分かれました。
 この時ユダは平和を望む声が優勢と見るや、自分の配下南斗二十三派を引き連れ、拳王と
 手を結んだのでした。

 「残る五星もまた乱れ、この世に巨大なる悲劇の種は蒔かれた!
 ケンシロウよ覚えておけ、殉星シンや俺の悲劇などさらなる悲劇への序章に過ぎないこと
 を!」

 
 「フフフ…時代だ、時代が妖星を輝かせたのだ!」

 俺は貴様の血で化粧がしたい!ユダはレイに襲いかかりますが、巧みに舞うレイは再びユダ
 に傷を負わせるのでした。

 

 思わずユダの部下も心を奪われてしまいます。

 怒ったユダは部下を切り刻み、再三レイに飛び掛かりますが、まったくもって通用しません。

 「な…何がお前をこれほどまでに!」

 「愛を知らぬお前には決してわかるまい。ユダよ!血化粧は己の血でするがいい!」

 圧倒的優位に立つレイは、止めを刺そうとしますが、突然ユダが笑い始めました。

 「俺様は妖星のユダ!何の知略も持たずにここへ来たと思ったかー!」

 するとゴゴゴゴという音が響いてきました。

 まずいと判断したケンシロウはリンと、珍しくバットも抱えてジャンプ!した途端、大量
 の水が押し寄せてきました。

 何とユダはダムを爆破したのです。

 南斗水鳥拳の奥義はその華麗な足の動きにあるため、下半身の動きを封じられたレイは羽
 根をもがれた水鳥!これではまともに戦えません。

 
 一方こちらはダムを爆破したコマク。止めに毒を流し、村はイチコロという恐るべき計画
 を実行するところでした。まあその場合ユダも死にますが。

 そこへさっそうと現れたケンシロウ、「試しに飲んでみろ」とコマクに毒を無理やり飲ま
 せ、吐き出そうとするコマクに力尽くで吐き出させないのでした。

 なお、この後ケンシロウはでかい岩でダムを塞いだので一安心です。

 
 さて、足を封じられたレイは苦戦していました。

 ユダには水を伝って相手を切り刻む奥義があり、レイはなすすべなく切り刻まれてしまい
 ます。

 しかしユダがトドメの奥義を出そうとしたその時、レイの南斗トンチが閃きました。

 

 

 レイは水面に衝撃を与えることで、水から抜け出し、ユダの双肩に「奥義飛翔白麗」を叩
 き込むのでした。

  勝負はつきました。

 レイが水を抜け出した瞬間、またもや心を奪われてしまったユダ。
 それが敗因でした。

 しかしユダは、「こんな死に方はせん!」とレイの両手を引き抜くと、
 「レイ…俺より強く美しい男よ…」と自身の胸にレイの両手を突き刺すのでした。


 「フ…レイ、俺の心の中にはいつもお前がいた!
 俺はずっと幻影を追っていた。お前を、そして美しい水鳥拳の舞を!
 だがとうとう俺はお前を越えることができなかった。
 最後の最後で幻影を突き放すことができなかった
 そ…それが俺の弱さ。」

 「だからマミヤにも何もできなかった。
 俺が心から美しいと認めてしまったもの、その前で俺は無力になる」

 「妖星が義星に心惹かれた時から、妖星は義星によりその光を消す運命にあったのだ」

 「レイ…俺がただ一人この世で認めた男…」
 
 ユダはレイの両手を胸から引き抜くと、「せめてその胸の中で!」と息絶えました。

  
  ユダの部下は慌てて霧散し、レイは強敵(とも)としてユダを弔いました。
 哀しい男たちの決着です。


 そしてレイがマミヤに声をかけようとしたその時、レイの頭から出血が始まりました。 
 いよいよ最期の時が来たのです。

 「マミヤ…死兆星が頭上に落ちる日まで精一杯生きろ!
 たとえ一瞬でもいい!女として生きろ。女の幸福を求めるのだ!」

 さらばだ!とレイは背を向けます。

 マミヤもレイに駆け寄ろうとしますが、砕けていく無様な死に方を見せたくないと、レイ
 は拒絶しました。

 「幸せにな!」そう微笑み、レイは歩いて行きました。


 そしてケンシロウ達とも別れの時です。
 
 レイは別れを告げると一人民家に入り、全身から出血して息絶えました。

 そしてケンシロウは民家に火をつけてレイを葬りました。

 燃え上っていく炎を見つめるマミヤは、頭上の死兆星が消えたことを知ります。
 レイが死兆星を消して行ってくれたのでした…。

 

 ユダ編 終