ジャギ編
 
 
 牙軍団を殲滅した一行は村に戻りました。

 ケンシロウは万能の力でアイリの目を秘孔治療して
 あげましたが、なぜかその表情は物憂げです。

 牙一族滅亡に喜ぶ村人たちを見つつ、就職どうするとか
 会話するケンシロウとレイですが、
 「胸に七つの傷の男は探さないのか?」
 脈絡なくケンシロウが服を脱ぎ始めました。動揺するレイ。

 そこへあっという間に目が治ったアイリとマミヤがやって来ました。
 レイはアイリを抱きしめながら、「その胸の傷は、とどのつまりブラフ!」
 と見抜くのでした。

 ここで何気にドレスを着ているマミヤに、色を知る年か!と
 ツッコミを入れたバットをマミヤが鉄拳制裁するのですが、
 ケンシロウは「無駄だ」とばかりに無視しました。
 完全に甘さを捨ててます。


 ブラフとは言ったものの、念の為レイはアイリに、七つの傷の男の顔を
 聞きますが、いつもヘルメットをかぶっていたのでわからないそうです。

 しかし「まさか奴が…」とケンシロウには心当たりがあるようでした。

 
 場面変わって、とある町。ハゲの大男が女性を追いかけ回していました。
 まあ待ってても来ないしね。

 助けを求める女性の前に、バイクでさっそうと現れたのは、
 噂のヘルメット男でした。胸には確かに七つの傷があります。

 メットはバイクから降りると、大男に七つの傷を見せつけ
 「俺の名を言ってみろ!」と知名度を確認させます。

 知らないものは知らないので正直に答えると、傷ついたメットの
 秘孔によって体の自由を奪われてしまいました。
 
 これでもまだ知らないのか!とメットは銃を取り出し、大男を脅しつけます。

 大男は渾身のブラフをかましますが、いま一つハッタリが効かず、
 嘘の嫌いなメットは銃の引き金を引いてしまいました。

 ところが銃は不発で、弾は出ませんでした。
 運が良かったなと思いきや、大男はショック死していました。これは無念…。

 しかし村人Aにとって妹を助けてくれた救世主です。
 サンキューと喜び勇んでメットに走り寄りますが、
 「勘違いするな!カカロット!」と銃で殴打されてしました。
 メットが女を助けたのは自分の物にするためだったのです。

 兄を殺された村人BとCは拳を振り上げますが、先ほどから
 アピールしていた胸の傷にようやく気付いてくれました。

 「む、胸に七つの傷!ジャッカルや牙一族を滅ぼしたという!」

 「フフフ…俺の名を言ってみろ!」

 「確か…ケン…」

 「そうだ!このお方が北斗神拳伝承者のケンシロウ様だぁ!」
 続きは突然湧いたモヒカンの皆さんにネタばれされてしまったところで、
 ニセケンシロウはBとCを屠り、ケンシロウの名を貶めるのでした。

 ちなみに牙一族戦では服を脱いでいません。楽勝でした。
 
 

 その頃ケンシロウは新しい肩パットの感触を確かめていました。
 
 「やはり行くのか…」
 ケンシロウは七つの傷の男の座をかけて戦うようです。

 「レイ、ひとつだけ頼みがある」
 
 ケンシロウが俺に頼みを!今までひょっとしたら軽く見られていると
 思っていたが…そうか…
 
 「たとえ命をくれと言っても俺は拒まん」これ以上ない返答をする男、レイ。

 「バットとリン、あの二人を頼む」

 「・・・・・・」 

 控え目なお願いでした。

 今度の敵はおそらく身内なので、生きて帰れる保証がないから
 二人を連れていかないそうです。

 一子相伝の北斗神拳に身内が!?驚くレイに対し、
 「一子相伝のことは忘れろ。後々面倒なことになる」
 とケンシロウは旅立っていきました。

 ドレスを着たマミヤはその姿を寂しく見守りました。
 長老は「追いかけろよ!村のことは任せろ!」と 
 下剋上を狙いますが、奴はユリア以外目に入らないから
 追いかけても無駄だ、と長老の企みを打ち砕きました。

 
 場面変わって、メットの銅像が安置されているとある町。
 ここでとんでもないクイズが行われていました。

 首だけ残して地面に埋められた村人は、
 銅像の名前を答えられなければのこぎりで
 首を切られてしまうのです。

 しかも首切り人は同じ村人で、首を切らなければゴールデンハンマーで
 失格にされてしまいます。

 なんて趣味の悪いクイズ番組だ!こりゃ七つの傷の男はとんでもない悪党だぜ!
 と評判が最悪になったところへ、フードをかぶった旅人がふらふらと迷い出てきました。

 旅人はとりあえずモヒカンの後頭部を蹴とばして
 地面に埋めると、何事のなかったように徘徊を再開。

 怒った子分達でしたが、地面につっこまれたさっきのモヒカンが
 待て!いい度胸だぜ!お前もあのお方の名を言ってみろ!
 とチャンスをくれました。意外と心の広いモヒカンです。

 しかし旅人は「わかりません」と即答。モヒカンはそれなら鋸を挽くことを強要します。

 鋸を手にした旅人は「これで挽くのか?」と確認した上で、
 鋸をモヒカンの頭に食い込ませました。

 「え?」とモヒカンが驚いている間にも旅人の手は休みません。
 「こうか?」とそのままギコギコと挽いてしまいました。念入りです。


 モヒカンが旅人のマントに掴まりながら絶命すると、マントが破れ、
 素肌にマントのみという上級のファッションをしていたケンシロウの
 肌が露わになりました。

 「あの傷は何なんだ?」
 モヒカン達が首を傾げるので、ケンシロウは銅像を破壊しつつ、自分こそが
 ケンシロウで、この銅像の名前はジャギ、かつて兄と呼んだ男だと教えました。

 この情報に怖気づくと思いきや、お前を倒せばジャギ様の右腕になれるぜ!
 と違うモヒカンが勢いづきます。みんな本名知ってたみたいですね。

 「ジャギ様から奪い取った北斗神拳味わわせてやるわ!」
 奪い取られてるんじゃないよジャギ!とケンシロウが思ったかどうか知りませんが、
 ケンシロウは村人を助けながら、モヒカンをあしらってました。

 あしらわれたモヒカンがジャギの居場所を親切に教えてくれたので、お礼に
 地面に埋めて、村人に後の処置を託しました。ついでに鋸も渡してあげました。
 
 
 ケンシロウはジャギが自分に対する憎しみだけで生きていることを知り、
 亜空間から取り出した皮ジャンを装着してため息を吐くのでした。
 
 

 こちらは噂のジャギ様。耳が弟に似ている、それどんな耳だよ!という理由で
 市民を虐殺する無法者の前に、幼い兄弟がバッティングしてしまいました。

 兄は足を怪我したようで、杖をついています。
 ジャギは弟の方をじっと見つめ、「この目、弟に…」殺人フラグを
 立てかけますが、ここは敢えて見に回りました。
 さすがのジャギも子供まで無差別というわけではなさそうです。

 ところがその後から来たジャギの子分に、兄の杖がぶつかってしまいました。
 死で償え!と横暴なモヒカンに対し、兄を庇った弟は自分の右足を
 あげるという条件を飲みます。

 そこへ謎のジジイ、ただのエキストラ、が高速移動で迫り、必死に許しを願いました。

 「本当に良くできた弟なんです!」ジジイのこの言葉が
 ジャギの心のやらかい場所をいまでもまだ締め付けてしまいました。

 「兄より優れた弟など存在しねえ!!」怒りのジャギは弟を掴むと、
 どこかへ連行していきました。

 

 とある砂漠。足に重たい石をくくり付けられた先ほどの弟アキが、倒れていました。
 ケンシロウが助け起こしますが、すでに消耗しきったアキは「ケンシロウ…」と
 犯人の名を残して息絶えてしまいました。
 
 見ると町から遠く離れたここまで、重たい石を引きずって来たようです。

 怒りのケンシロウは弟の足の鎖を引きちぎり、
 「ジャギ!きさまには地獄すら生ぬるい!」と殺意を固めるのでした。

 
 アキを抱えたまま村までやってきたケンシロウは、殺気を感じて、壁を破壊します。

 そこにはアキの兄、マコがボウガンの狙撃態勢に入っていました。
 ケンシロウをアキの仇と誤解したマコは、涙を流してケンシロウを罵ります。

 “ケンシロウよ…ジャギは必ずやお前に災いをもたらすであろう…”
 そんなマコの姿が、ケンシロウにかつての自分を思い起こさせるのでした…


 まだ伝承者争いでゴタゴタしていた頃、師父リュウケン見守る中
 ケンシロウはジャギと試合をしていました。

 弟になんか負けねー、と含み針でケンシロウの隙を奪い、
 たくさんの手刀でダウンを奪うジャギ。

 見てくれたかいパパン!と喜ぶジャギでしたが、
 「うるせーバーカ」とパパンはつれないそぶり。
 よく見るとジャギの体はアザだらけ、それも全部秘孔の位置でした。

 手加減しなきゃお前など肉塊じゃ、とジャギをさげすむリュウケン。
 ケンシロウは足の埃を払う余裕を見せつけます。
 むしろ本当の敵は足の埃だとでも言わんばかりです。

 「お前が俺に勝つことなどあり得んのだ!」と凄んだジャギは、
 なぜか高笑いしながら去っていきました。前向きです。

 「兄だから負けたのか?その優しさ、いずれ災いとなって降りかかるぞ
 特にジャギはな…」とアドバイスするリュウケン。

 何でそんなの養子にしたんだ?とケンシロウが思ったか何だかしてる間に回想終了。

 
 ケンシロウはアキの遺体を下ろし、
 「お前の怒りは俺にもわかる!撃て!」と両手を広げます。

 戸惑うマコでしたが、ケンシロウの迫力がすごかったので
 反射的にトリガーを引いてしまいました。

 胸に突き刺さる矢。位置的に心臓直撃ですが問題なし。
 ケンシロウは矢を引き抜くと、この痛みをジャギに届けることを約束します。
 (マコ「ジャギって誰だ…?」)

 
 一方ジャギは頭にシーツをかけて昼寝していました。
 そこへ飯できましたぜ、とモヒカンがシーツを取ったところ、
 そこには「きゃああー!」と乙女な悲鳴を上げるような顔が。

 
 
 
 そんなにこのカオが怖いかとモヒカンに迫るジャギに対し、
 モヒカンは「寄らないでもらえますか」と遠慮なしです。
 
 

 モヒカンが殺されたところで、ケンシロウがお仕置きに来ました。
 
 メットを装着したジャギは銃を取り出し、歓迎の意を表明します。

 「相変わらずそんな物に頼っているのか」と文明の利器を認めないケンシロウ。

 早く死に場所を選べ!とケンシロウが催促するので、
 二人はビルのヘリポートで戦うことになりました。

 ここなら邪魔が入らない、というジャギに対し、
 ケンシロウは「闇討ちが得意なジャギがなぜ?」と訝しがります。

 するとジャギはフハハハーッ!とご機嫌です。

 「貴様はあの時俺に勝ったとでも思っていたのかーっ!思い出せ!」
 とジャギが言うので、ケンシロウは思い出すことにしました。


 回想シーン 

 
 ジャギが鏡の前でポージングしていると、ジャギの子分が
 ケンシロウ伝承者決定の号外を知らせに来ました。
 この時点で子分がいるとか、北斗神拳もいろいろとアレなんですが、
 ジャギは慌てて北斗神拳本部らしき所へダッシュしました。

 
 
 そこには兄弟が仲良く正座していました。目標でも考えてたんでしょうか。

 「兄者たちはなぜ何も言わん!」
 と抗議するジャギに対し、兄達は沈黙を保ちます。

 「ケンシロウは弟の上に一番の未熟者、伝承者争いに敗れた人間は拳をつぶされるか、
 記憶を奪われる、それが北斗神拳を目指し、そして敗れた者の1800年の宿命だ!」

 必死に演説するジャギでしたが、兄二人は知らん顔しています。

 軽い扱いに耐えられなくなったジャギは、ふ抜けたか!
 と捨て台詞吐いて飛び出していきました。

 ジャギがいなくなったところで、でかい方が口を開きました。
 「やつではケンシロウに勝てぬ、だがケンシロウはジャギを殺せまい。親父は伝承者を誤った」

 北斗神拳ももはやこれまで!でかい兄は見切りをつけたようです。
 自分も伝承者に選ばれなかったので捨て台詞吐いていずこへ去っていきました。

 
 一方ケンシロウは修業しながら、一子相伝の理由を回想していました。

 “北斗神拳は無敵の暗殺拳ゆえ、誤った人間が伝承すれば世界が滅びるのじゃ…”
 誤らない暗殺拳の使い方ってなんだろう…と、そのあたりで、誤った人間が銃を
 持って殴り込みに来ました。

 「伝承者を辞退しろ!」と銃で脅すジャギ。
 ケンシロウはなぜ含み針や銃を使うのか質問しますが、
 「どんな手を使おうが勝てばいい」、というのがジャギの信念でした。まあ暗殺拳ですしね。

 これも放置しておいては、影響されてお金儲けのどこがいけないんですか!
 とうそぶく子供が出て来てしまう虞がある、これは北斗神拳伝承者として
 防がねばならんとケンシロウはジャギをボコボコにしました。
 
 秘孔を突かれたジャギの頭はMAJIで破裂する5秒前状態でしたが、
 ケンシロウはとどめを刺さずに追い払いました。この辺の甘さが今後悔しているところです。
 悪党は身内身外関係なくぶち殺すべきなのです。
 

 回想シーン終わり。
 
 
 ここでケンシロウはマコの矢を取り出し、子供を殺したことをなじりました。

 しかしジャギも負けてはいません。
 そんなクズどもの命などこの傷の痛みの比ではないわ!と
 ヘルメットを脱ぐと…

 
 いや、ケンシロウ十分残酷ですよ。


 「覚悟しろ、今度は貴様がこんなツラになる番だ!
 あの時俺が足を滑らせたため運よく俺に勝てたが…」
 
 これが回想前の「貴様はあの時俺に勝ったとでも思っていたのかーっ!」
 というセリフの意味みたいです。

 ところがあれは足が滑ったんじゃなくて、秘孔で足の自由を奪っていたのだと
 ケンシロウが告白。っていうかジャギの理屈が通用するなら、キムヨナは一生
 浅田真央に勝てないだろとまるっきりいいとこなしです。

 でも今度は殺すから、と構えを取るケンシロウ。
 ジャギもヘルメットを再装着し、またも高笑い。健康に良さそうです。

 本気になったジャギは、銃をうっちゃり、北斗神拳の真髄を見せると気合を入れます。
 
 とりあえず手をいっぱい出してケンシロウを威嚇しつつ、含み針で攻撃!
 と思ったら読まれていたのでファーストアタックを奪われてしまいました。

 そんなバナナ!と慌てふためくジャギ。落ちた銃を迷いながら見ていると、
 ケンシロウが遠慮するな!と言ってくれたので喜び勇んで手にしました。

 ところがケンシロウに向けたはずの銃がジャギの方にターンしてきました。
 ジャギの行動を読み切っていたケンシロウが、既に秘孔をかけていたのです。相変わらず嫌な性格です。

 あわてて秘孔を外し、銃を捨てるジャギ。

 「この非情さ、凄み」

 昔のケンシロウではないと知ったジャギは なんで手加減してくれないのかを尋ねました。

 「無数の敵の血を流してきた。友と呼べるライバルたち…強敵(とも)たちの血が俺を変えた!」
 なお、背景にはシンしかいませんので、ハート様、デビル、牙大王等は
 強敵(とも)ではないのかもしれません。

 ジャギの方も「強敵(とも)?シンのことだな」と心当たりは一人だけでした。


 さあジャギ大ピンチ、かと思いきや、ここでジャギは奥の手ヘリの燃料を取り出しました。
 初めからこの手を使うために、ここを選んだのでした。なかなか策を弄します。

 
 引火したら位置的にジャギが一番危ないと思うのは気のせいでしょうか


 俺の顔より醜く焼けただれろ!とマッチを放つジャギでしたが、ケンシロウは
 「まだわからんのか。死ぬのはきさまなんだ」と熱い中涼しい顔。
 
 しかしこれをブラフと読んだジャギはケンシロウにとんでもないエピソードを紹介しました。

 なんとシンをそそのかして、悪魔に魂を売らせたのはジャギだったのでした。
 具体的には、耳元で囁きです。ジャギの囁き戦術にあっさり陥落するシン!
 アムウェイ、ミキプルーン、そして国連英検!この辺は一通り押さえていそうです。

 貴様がシンを!全部お前のせいか!とこちらもあっさり信じてしまいました。
 世の中ウマい話は…ないんだぜ?


 「俺の名を言ってみろ!北斗神拳伝承者ジャギ様だー!」
 勝ちを確信したのか、ジャギは大はしゃぎです。

 こうなるとジャギの讒言を完全に信じてしまったケンシロウは服を破らざるを得ません。
 怒りの北斗とんちで床を破壊し、炎を消しました。

 「ジャギ…俺の名を言ってみろ!」屈辱の北斗セリフ返しが決まりました。


 ジャギは退却の意思を見せますが、ケンシロウは「どこへ行こうというのかね」
 とにじり寄ります。
 
 ところがジャギの逃亡姿勢はとどのつまりブラフ!ブラフばっかりですが、
 ケンシロウの隙を突いて、顔に傷を負わせることに成功します。
 ジャギも昔のジャギではなく、いつの間にか南斗聖拳を身につけていたのでした。
 多分通信か何かで習得したのでしょう。

 しかし残念ながらちょっと遅めだったのでケンシロウには通用しませんでした。

 「貴様の謀略のために果てた4人の怒り、悲しみをじっくり味わうがいい!」

 一人目はシンの分。ペース配分を考えて適当に蹴飛ばしました。

 ならばこいつはどうだ!とジャギは巨大石柱攻撃をクリーンヒットさせますが、
 避ける素振りもなく仁王立ちで受けられてしまいました。


 この技は…



 牙大王の丈夫な体。強敵(とも)フラグ微妙に回収です。


 「もはや北斗神拳の真髄すら忘れたか!怒りは肉体を鋼鉄の鎧と化すことを!」
 とケンシロウは熱く説教です。
 まあ真髄が分かんないから弱いんですけどね。

 続いてこれはユリアの分!と連続パンチです。
 ユリアの分意外と軽いなと思いきや、痛覚神経が
 剥き出しになる秘孔を突いていたのでした。
 なんていうかものすごく陰険な奥義ですよね。

 触れられるだけで激痛が走る体になってしまったジャギ、
 当然ケンシロウは触りまくります。執拗です。

 3人目は幼い兄弟の分!とケンシロウは矢を取り出し、自分が射られた辺り(心臓)に
 突き刺しました。さりげない複線回収です。
 例えばマコがケンシロウの尻に矢を放っていたら、ケンシロウもジャギの
 尻を狙ったんでしょうか。


 最後は俺の、俺の、この俺の怒りだあ!と今までと明らかに熱入り方が違う
 全力右ストレート。
 というかケンシロウ果ててない。今日も元気いっぱいです。

 ジャギはヘルメットごと頭を吹っ飛ばされました。

 死ぬ間際、貴様にはまだ二人の兄がいる、これが貴様の地獄行きの旅の始まりだ!
 と不吉な予言を残し、ジャギは一足先に地獄に行きました。

 あの二人が生きていたのか!
  と、更なる親族間のいざこざを予感するケンシロウだったのでした。

 確かに北斗神拳は乱を呼ぶわ…


 ジャギ編 終









 
 奇跡の村編

 
 ―1800年の長きに渡り営々と受け継がれて来た一子相伝の
 秘拳北斗神拳、だがリュウケンは男児に恵まれなかった
 
 そこでリュウケンは4人の男を養子として迎えた。

 長兄ラオウ
 次男トキ
 三男ジャギ
 末弟ケンシロウ
 
 それが俺が調べた北斗神拳に関するすべてだ!」

 今回はレイの調査報告からスタートです。
 どうやって調査したのか分かりませんが、男児に恵まれないとか、養子、
 とか下世話な情報まで調べて来たのはプロの仕事として評価したいところです。

 なんで末弟が伝承者になったんだろうな…とレイ達世間話しているところへ、
 バットがケンシロウからの知らせを持って来ました。

 旅の商人に預けたケンシロウの手紙を、一応ここは代表してレイが読みます。
 そこにはこう書いてありました。


 「引き続き子守を頼む」


 
 あいつ…俺を南斗子守拳か何かと間違えてるんじゃないか…
 

 「そ、そんな!」バットは慌てて手紙を奪い取りました。
 
 
 それはどっちの「そんな」だ?
 ケンシロウがいなくて悲しい方か、
 それとも俺に子守をされるのが悲しい方か…

 色々と複雑なレイでしたが、
 「伝承者争いの後始末をするつもりだろう」
 と公式見解を述べておきました。


 一方トキを探してある街へ辿り着いたケンシロウ。
 店先ではハゲとフドウみたいなのが争っていました。

 ハゲの方は「どうせ今日までの命なんだ!」とヤケクソになって暴れているようです。
 ならば存分に暴れるがいい、とケンシロウは知らん顔して店に入りました。

 ケンシロウはギャラリーの忠告にも無反応でカウンターに座り、どこぞの
 モヒカンから強奪(多分)したガソリンと、食料の物々交換をねだります。
 店の爺さんもこの修羅場に何言ってんの?と開いた口がふさがりません。

 そこへニセフドウが助けを求めながらカウンターを滑って来ました。
 
 面倒なので断りました。


 「ナイス度胸だねあんた」爺さんの発言を皮切りに、世間話に花が咲きました。
 どうやらハゲが荒れているのは奇跡の村の生き残りだからだそうです。

 「なんだそのドラクエみたいな名前は?」
 なんでもそこはタッチだけで病人を治してしまう救世主がいる
 まさに奇跡の村だというのです。

 タッチだけで…!ケンシロウの北斗センサーが反応したところに、
 再びニセフドウが吹っ飛んで来ました。

 タッチ!タッチプリーズ!とニセフドウが乞うので、というわけでは全然なく、
 奇跡の村のことを聞き出すためだけの目的で、ケンシロウは立ち上がりました。

 「あんたもあの男と同じ魔術が使えるのか?」
 あっという間に鎖骨をグリグリされて北斗の軍門に下ったハゲは
 奇跡の村のことを語り始めました。

 
 ―そこは捨てられた村でした。
 歩けなくなった者、病に冒された者が捨てられた、ただ死を待つだけの村でした。

 そこへ救世主が舞い降り、目の合った者片っ端から治してしまい、村は蘇ったのです。

 救世主の名はトキ…―

 
 トキ生存確認に貴重な笑顔を見せるケンシロウでしたが、話はまだ終わっていませんでした。


 「だが突然あの男は変わった!」

 優しい微笑を浮かべた救世主は、一夜にして氷の笑いを張り付けた冷酷な殺人鬼に変身してしまったのです。

 トキはハゲ達を木人形(デク)と呼び、実験でも楽しむように次々と…

 そして村は死に絶えました。


 「バ、バカな!」
 これにはケンシロウも驚愕を隠せません。

 しかしその証拠とばかりに、デクだったハゲは、
 3日で死ぬといわれる秘孔を突かれ今日がその三日目なんだ!あおが!と
 死んでしまいました。

 「バカな!トキにかぎって!」
 ニセケンシロウはジャギだった、ならば今度もニセトキではないか?
 ケンシロウは真偽を確かめるべく、奇跡の村へと向かったのでした。

 
 その頃当のトキは悪そうな顔でジャギ死亡の報告を受けていました。これは完全にクロですよ。


 一方マミヤは北斗七星を見て、不吉な、あの人の身に何か…
 と呪いをかけていました。

 「北斗七星は死をつかさどる星、乱を呼ぶは北斗神拳の伝承者の宿命か…」
 その頃レイは隣で解説していました。

 
 再びトキに戻ります。
 トキはケンシロウをデクにすることに決めたようです。
 デクには強い肉体を持った男が必要なのです。

 そこへデク狩り隊のハブが、デクを仕入れて戻って来ました。
 実はその元ボクサーヘビー級チャンプの男は、捕えられたフリをしてトキに
 近づくチャンスを狙っていたのです。

 本性を現した男は鎖を引きちぎり、トキの部下をノックアウトしました。
 貴様の悪行もこれまでだ!ボクサーは詰め寄りましたが、なんやかやで金縛りに
 あってしまいました。流石に西洋武術では歯が立ちません。

 「なるほど、良い締まりをしている。イキもいい!」
 あれこれ調べたトキはそう言うと、プライベートルームに運んでいくのでした。


 その頃ケンシロウは一服しながらトキを思い出していました。


 ―無料診療所で子供治療するトキ。
 それはまさに救世主のように柔らかい笑みでした。

 まだ肩パットのないケンシロウも誇らしげに兄を見つめます。


 
 拳法家ではなく、医学の一つとして北斗神拳を活かしたい。
 己の夢を語るトキ。
 
 「ケンシロウ、お前だけは分かってくれると思う」

 わかるよ兄さん、じゃあ俺は人殺しの道具に専念するよ!


 …あのトキが…
 殺人鬼に変身するなどあり得ぬ!
 こうして思い出補正により、ケンシロウはトキへの信頼を取り戻すのでした。


 一方トキはボクサーのパンチのスピードを倍にすべく、懸命に男の肩をグリグリしていました。
 ところがグリる場所を間違えたので、ボクサーは死んでしまいました。
 
 「棄てて来い!」冷酷に言い放つトキ。北斗神拳もこうやって作られてきたんでしょうか。


 さて、マイペースなケンシロウがバーで一杯やっているところへ、
 デク狩り隊の皆さんがやって来ました。

 「ウジムシヤロウども!この俺と勝負してみねえか?」
 ハブは相方のギュウキとの力比べで勝ったら、食料一か月分のイベントを催すようです。

 勧誘を受けたケンシロウは、お腹いっぱいだったので食料の代わりにハブたちの
 命を所望したところ、デク狩り実行委員会のGOサインが出たので、
 ハブ達はいそいそとバトルフィールドをセッティングしました。

 「フッフフ さぁきなボウヤ!」
 なんと勝負は腕相撲。

 なんだ殺し合いじゃないのか、とケンシロウが肩を落としたところへ
 力自慢のターバン男が割り込んできました。

 「悪いがあんたまで食料は回らんぞ!俺はこの腕でプロレスラーを絞め殺したことがある!」
 高らかに前科を告白したはいいものの、いざ始まってみるとビクとも動いてくれません。

 「ちからいれてえんのか〜?」と挑発するギュウキ。

 必死に踏ん張るターバンの耳元で、ハブが、お前本気でやってないな!
 ここはK1じゃねえんだぞ!とヤオ疑惑をぶつけます。曙は気持ち強いですよ!

 さらにハブがテーブルのシーツを取ると、そこには高速で
 回転する電動のこぎりが唸りをあげていました。シーツ最強伝説。

 「俺様の筋力はトキ様の秘術によって数倍にアップしている」
 ギュウキのドーピング発言にケンシロウが(トキ・・!!)と反応している間に、
 哀れターバンは腕をアレされてしまいました。まあ殺人犯だしね。


 この凄惨な一部始終を腕を組みながら黙って見ていたケンシロウの番が来ました。
 
 「さあ来いハゲ!」

 怒ったギュウキは「のおほほー!」と初回から全力でかましますが、ピクリとも
 動いてくれません。力の差がありすぎて挑発がただの悪口になってます。

 「早く力を入れたらどうだ…」と先ほどのセリフをイヤミで返されてしました。陰険です。

 ひとしきりギュウキを足掻かせたところで、じゃあ腕もらうから、
 とケンシロウが力を込め始めました。ハブは電源切りなよ。

 利き腕がかかっているギュウキが死に物狂いで抵抗した結果、良い具合にもう一つの
 関節が前腕に出来たのでドクターストップとなりました。

 本来なら食料をもらえるはずですが、ケンシロウはハブ達の命を要求してしまったので、
 今度はハブと戦うことになりました。彼の持ち味は敏捷性です。

 ハブは折りたたみ式棒を支柱に、ジャパネット!と素早く動く猿拳使い。
 頭上からケンシロウの背後を取って飛び掛かり、殴られました。

 気を悪くしたハブはなぶり殺しにしてやると根拠なく強がりますが、
 先ほどの裏拳秘孔で棒から手が離れなくなってしまいました。
 相変わらずエグイ秘孔の使い方です。
 
 ケンシロウはハブ付き棒を壁にフルスイング!
 大黒柱をへし折ったところで、相手見てケンカ売れ。俺はケンシロウだ、
 と広報活動しつつ、トキの下へと案内させるのでした。


 店壊さないでくれ!店主の叫びが天にこだましている頃、噂のトキは
 ハブ・ギュウキ敗北の知らせを受けていました。

 「少しは成長したらしいな」と悪そうに口をゆがめます。
 いや、ハブとギュウキはあんまり強くない…。

 
 そこへ奇跡の村の噂を聞いた旅の親子が、子供の治療をお願いに来ました。

 トキはこれを快諾し、重い病に冒された子供の秘孔を突いて眠らせました。

 サンキューと感謝する親父。ところがトキは親父にお礼として死んでみせてくれ、
 と秘孔をグリグリやり始めました。全然救世主じゃない。

 もうダメかと思われましたが、そこへようやくケンシロウがやって来ました。

 「何故子供を殺した!」

 久しぶりの再会の第一声、その言葉は悲痛でした。

 ケンシロウはトキが子供に死の秘孔を突いたところを見ていたのです、
 物陰からそっと…って止めろよ。

 「最初から手遅れだったので安楽死させてやった。お前も分かっていたはず」とトキは嘯きました。
 ケンシロウは北斗医学にあまり自信がないので黙ってました。

 「俺の知っているトキはもっと目が澄んでいた。何故こんなことを?」

 「俺は変わらん、時代が変わったのだ!ケンシロウ、暴力はいいぞ!」

 「お前は昔のトキではない!」 

 「戦ってみればわかることだ!」


 無情な兄弟対決の始まりです。
 
 あたたた!と殴りかかるケンシロウ!
 ところがトキはこれをすべて掌でブロック。

 「お前に拳法を教えたのはこの俺だ!ジャギとは違うのだよ!」
 ジャギは教えてくれなかったようです。

 トキの攻撃に、
 「こ…この技の切れは…!」とケンシロウも汗で敬意を表しました。

 とりあえず第一ラウンドが終了したので、「激論・何がお前を変えたのだ?」
 と議論することに。



 ―かつてトキの力でこの村は蘇りました。ところが数日の出張から帰ると…

 横たわるはおびただしい死体の群れ。群れ。
 野盗に蹂躙された村は、壊滅状態でした。

 そこで視界に入ったのはヒャッハーと略奪を繰り返す野盗達、
 それまで必死に築き上げてきたものが崩れ去ったことを知ったトキは、
 気が付くと、野盗の血の海に立っていました。

 たとえようもない悲しみがトキの胸を突き上げ、この時流した血の涙が、
 トキを悪に変えてしまったのです…―



 「この時俺は悟った!俺の夢など所詮戯言に過ぎない。北斗神拳の本来の道は殺人道なのだ!」
 力説するトキ。ケンシロウも特に否定しません。そんな資格はない…


 その時、子供を殺されて怒った親父がナイフで飛び掛かって来ました。
 カウンターの激振孔を決めるトキ。これは心臓が通常の何倍もの活動を
 してしまい、血管が破れて死んでしまう恐ろしい秘孔です。

 救助を試みるケンシロウでしたが、激振孔を封じる秘孔はなく、
 親父は死んでしまいました。

 「人体の神秘万歳!人間革命!」高笑いするトキ。

 そんなトキをケンシロウは哀しい目で見つめ、
 「貴様は断じてトキではない!」と服を破るのでした。


 本気モードに入ったケンシロウはジャンプキックで頑張って
 トキを足蹴にしようとしました。

 ところが紙一重で交わされ、服を破いただけで終わってしまいました。
 ケンシロウも二回目の汗で敬意を表します。

 さらに、トキの背中を見たケンシロウの目には驚愕の光景が飛び込んで来ました。
 
 トキの背中の傷、それは修業時代のケンシロウが滝浴びをしてたところ、
 頭上から大木が落ちてきたので、トキが庇った時についた傷なのです。


 伝承者万歳!
 

 なんだかんだ言って、内心ぶっちゃけトキじゃねえだろと疑っていたケンシロウでした、
 どうやらトキだと認定せざるを得ない決定的証拠が出てしまいました。

 「これが北斗の宿命か…ジャギだけでなく…もう一人兄までも殺さなくてはならぬのかー!」
 宿命というか悪人が多いです。
 
 「トキ…最期だ…せめて祈るがいい」
 ケンシロウは静かに言いました。
 先ほどまでのやり取りからすると互角のようでしたが、果たして…

 「この傷を見たからには、俺に手出しできまい!お前はそういう男だぁ!」
 せこくメンタルを突くトキ。




 高速で飛ぶ裏ビンタ(手の甲でするビンタ)。



 
 落ち着くんだ!


 ここは何とか立て直し
 @俺は貴様の命の恩人、
 A貴様の技など手に取るようにわかるわ…
 と精神攻撃兼自己暗示を続けます。

 しかし効果ゼロっ・・・!!

 ケンシロウの攻撃が全く見えません。
 挙句の果てには本人まで消えてしまいました。 
 
 久しぶりに暗殺拳の設定が帰って来たので怖くなったトキは耳を塞ごうとしましたが、
 背後からその手を突き刺されてしまいました。

 どうやら今までは本物のトキかどうか確信がなかったので、適当にやっていたようです。

 本当は「こ、この技のキレは…(微妙だ…)」と思ったのかもしれません。

 
 頭の輪っかが上に向かっているトキでしたが、小悪党らしく、親父に
 すがって泣いていた嫁を人質にとりました。堕ちていく一方です。
 
 嫁ごとダイブしてくるトキ、これでは攻撃が出来ない!
 しかしケンシロウは汗一つかかず、迎え撃つ模様。
 何か策があるのか…?

 ケンシロウは正面から降って来た嫁を見事にキャッチ!
 その隙に、秘孔を突かれた!
 北斗人命第一!


 「ぐ…そこまで堕ちたか…」ケンシロウは本日三回目の汗でピンチを表現しました。

 「これで貴様はもう俺のデクだ!」
 体の自由を奪われたケンシロウは、ネチネチとビンタされてしまいます。
 先ほどの仕返しです。ガチ勝負の時のビンタってムカつきますよね。

 拳を突き動かすのは怒りではない!欲望だ!
 シン編以来の格闘精神講義です。皆さん色々信念をお持ちですね。


 「ではどこの秘孔から試してみるかな…」
 
 いいところでしたが、ここで部下が吹っ飛ばされて来ました。
 しかもコマ切れです。

 「これは南斗水鳥拳!」驚いたトキが見ると、レイが立っていました。

 そしてこの場を震撼させる衝撃の一言。
 「その男はお前の兄ではない!」

 「なんだと!レイ!子守りさぼって何やってんだ!」とケンシロウが
 思ったかどうか知りませんが、なんとトキの正体はかつてレイと
 共に南斗聖拳を修業した男、アミバ。


キサマパクリヤガッタナ〜!

↑リンクです



 「アミバ、他の男は騙せても俺の目はごまかされんぞ」
 
 他の男(主人公)も兄と思っていたのがニセモノで目が点です。


 
 一見間違えようがない感じですが、そこまでやるかというほどトキに
 成り切っていましたからね。これは見抜けなくても仕方ありません。
 
 
 予想外の闖入者でしたが、すでにケンシロウを倒した気になっているアミバは
 余裕綽々。後はレイを始末すれば北斗神拳伝承者トキとして生きていける!
 と高笑いです。パクッたもん勝ちですね。

 実の兄を間違えてしまったり、レイごときにカッコ悪い姿を見られてしまったりで
 発言を控えていたケンシロウでしたが、本物のトキの安否だけは聞いておく必要がありました。


 …どうやらこの村を襲った悲劇は本当のようでした。
 
 「そんなもので希望を捨てるような男は所詮二流、お前もまだまだ甘い男だ」
 とケンシロウを嬲ります。ちなみに本物のトキは希望を捨てていません。

 「今度は北斗神拳に目を付けたか、お前の顔と一緒で一つに落ち着かん」 
 心地よい酔いにレイは水を差します。特にケンシロウを助けようともしませんが。
 

 野次にカチンと来たアミバは、いかに自分が優れているのかを切々として語りました。

 自分はどんな拳法でも誰よりも早く習得することが出来る天才であるのに、  
 誰も認めない、奥義も授けてくれない、トキも認めようとしなかった…

 「それで人体実験を繰り返し、北斗神拳を極めようとしたのか…」

 要するに寂しいわけですが、
 「もう一度言う、俺は天才だ!」とアミバはあくまでも前向きです。
 このモチベ〜ションだけは評価したいところです。ゴミ野郎ですけどね。

 「みろ!俺のパクリ神拳の前には正統伝承者もこのざまだ!」
 とケンシロウを転ばせ、顔面踏みつけを敢行しました。
 まさにこういうことをしたわけですね。アレは。
 
 「俺を認めなかったバカどもをいずれ俺の前で平伏させてやるわー!
 媚びろ〜!媚びろ〜!俺は天才だファハハハ!」 
 せっせとケンシロウの顔や体を足蹴にするアミバ。やりたい放題です。


 この様子を半笑いで静観していたレイでしたが、
 あんまりやらせとくとケンシロウに怒られちゃうので、
 「北斗神拳には秘孔封じがあるらしいぜ?」と復活フラグを立てました。

 「なにィ!」とアミバが驚いた次の瞬間、足もとのケンシロウの背中が
 モリモリッ!

 「北斗神拳の正統伝承者をお前ごときのニセ神拳で倒せるものか!」
 とレイが言うのでケンシロウは立ち上がりました。もの凄い怒っています。

 
 「もし!本当のトキが秘孔を突いたのならいかに俺でも秘孔を破ることは出来ん!」
 トキを褒めつつ、さりげなく兄を間違えてしまったことを誤魔化しました。

 自分より優れたものが大嫌いなスネ、いやアミバは俺は天才だ!と躍りかかりますが、
 北斗顔面戻しで整形前の顔(レイ確認)に戻ってしまいました。 
 
 ピンチのアミバは部下たちに突撃命令を下しましたが、一部始終を見られて
 しまったので総スカン食ってしまいました。

 おまけに横からレイにざまーみろとののしられ、ムカつくことこの上無しです。

 
 腹立つわ〜


 「トキ!トキ!トキ!どいつこいつもトキ!も一つおまけにトキ!
  なぜだ!なぜ奴を認めてこの俺を認めねえんだ!!」 

 スネ、いやアミ〜バ心の叫び!彼には永遠にその理由はわからないでしょう。


 まあファビョるなよ、と殺す前にケンシロウはとりあえずpatoになりすましたわけを聞いてみました。


 「奴はこの俺の…俺様の顔を叩きやがったんだ〜っ!!」

 
 アミバの脳裏をよぎる回想…

 トキが奇跡の村と呼ばれるほど救世主的活躍をしている頃、
 アミバは奇跡の村に立ち寄りました。
 
 そのくらい本気出せば俺にも出来るから!モチベ〜ションさえあればな!
 と中二魂を滾らせたアミバは足の不自由な老人を発見します。

 嫌がる老人に対し、俺は天才だ!と無理やり秘孔を突いたものの、
 はばばばば!と老人が脱穀機みたいになってしまいました。

 
 


 顎に手を当てて首をかしげているところを、通りすがりのトキが強引に割り込んできました。
 
 「どけ!!」と日向君のようにアミバを吹っ飛ばしたトキは手早く老人を治療し、なんとかしました。

 ところが治まらないのは偶然とはいえ顔を叩かれたアミバ。
 あまりのショックにゲシュタルトを崩壊させてしまいました。

 「俺の・・俺の顔を、顔を…俺の天才の顔を!」
 錯乱しているためか、微妙におかしい言葉を呟くスネ〜、いやパクリン。

 パクリンは発作的にトキに襲いかかります。
「俺を誰だと思ってるんだ!」ゴミ野郎だろ。

 しかしトキは指一本の寸止めで、アミバを黙らせました。
 「誰かは知らぬが生兵法は使わぬことだ。アディオス!」と
 夕日に向かって去っていくのでした。


 要するにメールを返してもらえなかったから軽く扱われているようで悔しかった、
 それでついパクッてしまった、調子に乗って本まで出してしまったようです。
(ちなみにnumeriに来るメールは一日100通くらいで、相互リンク依頼が引きも切らないようです)


 「…というわけで救世主の名をただの殺人鬼に覆してやったのだ〜!」
 
 了解!とケンシロウは納得しましたが、調子に乗ってトキはただの殺人鬼!
 北斗神拳もただの殺人拳!と侮辱したので、伝承者が怒りました。
 レイもやっちまえ!とノリノリです。
 
 「貴様は長く生き過ぎた!」ケンシロウが処刑の準備に入りました。

 しかしストレスで疲れ気味のアミバは「わはははー!凡人が俺に勝てるかーっ!」と発狂。
 天才は天才を知るってやつですか?
 いやホントこれシラフじゃ言えねえ。シャブ食ってるレベルだよ。


 「俺は天才だ〜っ!」とせっせと研究したパクリ神拳で肩筋がグレートになる秘孔を突きます。
 
 アミバ流北斗神拳!

  
  ブログランキングアクセスよろしくお願いします!
  
 
 
  こちらはナチュラルに天才な人
 
 パクリの不自然さがよく分かります。
  

 「さてどこの秘孔から突いてやろうか!」
 
 しかしこのとき勝負はすでに着いていたようです。
 「自分の指をよく見てみろ!」
  
 ケンシロウのアドバイスに耳を傾けた途端、アミバの指が爆発しました。
 これではホトトギスを更新できない!

 どうやらうっかり自分で間違った秘孔を突いてしまったようです。って、おいおい…
 

 「北斗神拳の歴史は一八〇〇年!貴様ごときに極められる拳ではない!」
 恒例のCMも終わり、鉄拳制裁に入りました。

 今回の奥義は残悔積歩拳ざんかいせきほけんです。
 足が勝手にムーンウォークしてしまうというスリラー奥義。
 ここは高いビルの上なので、そのままネバーランドまでのウォーキングが出来る有難迷惑な奥義です。

 「止めてくれ!足を止めてくれ!」必死に命乞いをするアミバ。まずサイトをやめろ。
 
 「自分で秘孔を突いて止めてみろ!」
 しかしアミバには秘孔を突ける指がないのでした…

 「俺が死んだらトキの居場所がわからんぞ!いいのか〜!」

 「いい!」
 
 安心して落ちろ!貴様らに殺されるトキではない!とケンシロウの贈る言葉。
 

 秘孔を弄び、侮辱したアミバ。その最期もまた、秘孔によって刺されたのでした。


 「貴様のことを一番知らなかったのは貴様自身だったな!」


 
 俺の活躍はまだか…


 奇跡の村編 終