ジャッカル編

 
 かつての文明の名残を残す廃墟。分断された高架道路で杖をつきながらよろよろと歩く少年。
 目が不自由なのか、足を踏み外して道路から落ちそうになってしまいますが、間一髪助けてくれたのは、神様…?
 持っていた水を与えると、少年をその場に放置してケンシロウは去っていきました。


 さて、町でバットがバーテンとくだを巻いていると、ケンシロウが帰って来ました。
 先にバットとリンを帰したのは、ゴッドランドの後片付けをするためだそうです。
 後片付けと言っても、モップがけをしてきたわけではなく、もっとバイオレンスな
  意味だと思われます。

 ミッション終了を喜び合う三人でしたが、ゴッドランドを壊滅させるという
  センセーショナルな話題が、悪いスカウトの耳に入ってしまいました。

 アムウェイって知ってますか?とにじり寄る勧誘員。 

 そういうことはマネージャーの私を通してもらわないと、とバットが立ちはだかりましたが、
 営業を邪魔されたので遠方に飛ばされました。吹っ飛ばされる描写に二コマも使ってもらったので
 彼もピンでやっていけるかもしれません。
 
 


 ケンシロウは勝手にマネージャーを名乗られたことで気を悪くしたのか、
 バットの危機に顔色一つ変えませんでしたが、スカウトマンが馴れ馴れしく
 体に触って来たので、裏拳でバットを超える飛距離を出すことに成功します。

 スカウトマンはカーテンで仕切られた風呂場まで飛ばされ、
 しかもおっさんが入浴中だったので怒られてしまいました。

 なお、リンは甲斐甲斐しくバットの身を案じましたが、
 ケンシロウは無視しました。バットはピンピンしてました。


 そんな騒ぎの中へ一人の子供が入ってきました。冒頭でケンシロウが助けた子どもでした。
 名前をタキと言い、なんとバットと同郷の子供だったのです。

 タキの村では突如井戸の水が枯れてしまい、村の男たちは出て行ってしまいました。
 そこで井戸を掘るための男手を探しに来たというわけでした。
 
 ケンシロウは砂漠の紫外線で目をやられるほど過酷な旅を続けてきたタキに
 胸打たれたので、バットの村を訪れることにするのでありました。先ほど放置
 した罪滅ぼしでしょうか。


 ところがこの貴重な水情報を大声でしゃべってしまったせいで、
 風呂を浴びていたおっさん、ジャッカルに妙な気を起こさせて
 しまいました。
 
  
 これは野郎二人を弄んでいるわけではなく、長生きしたければ自分より
 強い男とは戦うなという教えを破ったので説教しているところです。
 そしてこのままプレスされ、嫌な汗をかいたまま召されました。
  
 

 一方、ケンシロウ一行はタキの村にやって来ました。


 
 そこには子供たちの面倒を一人で見ている老婆、トヨが待っていました。
 トヨは挨拶代わりにバットの頭にを石ぶつけ(ピッチャーくらいの距離)、
 「どの面下げて帰ってきた!このバカ息子!」と叱責するのですが、
 実は自分の分の水を子供に与えるような優しい老婆なのでした。
 ちなみにケンシロウはしっかり水を飲んでいました。

 子供たちを見つめるトヨのまなざしに、身寄りのいないリンの寂しげな様子を見せると、

 トヨ「今夜はわしと寝ようかい?」

 リン「…(ポッ…)」 

 と暖かいところを見せます。

 ケンシロウとしても何とかしてやりたかったかもしれませんが、立場上そうもいきません。
 やむを得ず、もう一人のみなしごバットに向かって「やらないか?」と言ったとか言わないとか。


 「なぜ井戸を掘りあてようとしなかったのですか?」珍しく敬語を使うケンシロウ。

 何でもこの村には水源があるのですが、厚い岩盤に遮られてにっちもさっちも
 いかないということでした。

 
 さて、ケンシロウが熟睡していると、バット達が起こしに来ました。
 何とタキがトヨに水を飲ませるため、隣村まで水を盗みに行ったというのです。

 隣村には恐ろしい番人がいるということで、ケンシロウは慌てて救助に向かいますが、
 今一歩及ばず、タキはハゲのインディアンにボウガンで射抜かれてしまいました。

 同じ水泥棒として許せん!と怒りのチョップでハゲ番人を二階級特進させました。
 力こそ正義なのです。

 ケンシロウが急いでタキの元に駆け寄ると、タキは息も絶え絶えに話しました。
 トヨは自分の分の水を他の子供に分け与えているが、それでも水はあと二日持つか
 どうかという窮乏にある、どうかみんなを助けて、とケンシロウに伝えタキは息を
 引き取りました。
 
 何と言うことだ!通常人より遥かに耐性のある俺が、しっかりと水をいただいてしまった!

 今頃になって後悔するケンシロウは、タキの亡骸をトヨの元に届けました。
 そして時代への怒りと共に繰り出されたパンチは岩盤を破壊し、見事井戸を
 復活させることに成功するのでした。


 この光景を、後をつけていたジャッカルが一部始終チェックしていました。

 親分、水をいただいちまいましょうぜ!とはやる子分でしたが、ジャッカルは
 「ここは見に回る」と様子見の様子。

 ところが先走ったジャッカル偵察隊のザコが喜び勇んで井戸に走って行きました。

 当然ゴミクズのように掃除されるかと思いきや、なぜかケンシロウは
 「水を飲んだら出ていけ、ここのことは忘れろ」と説得モードに。

 これは危ない。ケンシロウが仏心を出したときは高確率で犠牲フラグが立ってしまいます。

 ケンシロウは言うことをきかないザコ達をぶん殴り、記憶を消した上で
 バットに砂漠まで捨てに行かせました。砂漠が裁く、といったところでしょうか。すみません。

 バット一人で大人二人運ぶのは無理だと思いきや、あっさり片付けていました。
 これは冒頭のマネージャー設定の伏線回収なのかもしれません。

 
 「奴らがただの野盗ならいいが…」今度の展開に不安を感じるケンシロウですが、
 ここでトヨは奥の手ライフルを取り出します。

 「心配ご無用」微笑むトヨに、ケンシロウは「それなら安心」と村を去っていくのでした。

 途中先回りしていたお伴二人を連れて、旅を続けようとするケンシロウを見つめる邪悪な影。

 「これだけ離れれば、悲鳴は聞こえないだろう」ジャッカルの本隊がとうとう攻め込み始めました。

 覚悟を決めたトヨは「俺の背後に立つな!」とジャッカルの頭部を狙撃。


 
 素直な悲鳴をあげてジャッカルは落馬しました。


 ところがジャッカルは生きていた!トヨ痛恨のミス!
 
 この銃声をケンシロウは聞きつけBダッシュしますが、いかんせん距離が遠すぎます。

 
 トヨは焦りながらも狙撃を続行しようとしますが、ジャッカルはこれに対して全身
 ダイナマイトコスチュームで対抗。こんな体で葉巻くゆらせてたとはジャッカルも
 なかなかの男です。

 
  大豪院ジャッカルです。


 頭部はガラ空きなものの、外せば子供たちが木っ端みじんになってしまう…
 トヨが迷っているうちと、ジャッカルは銃を取り上げ、トヨを刺すのでした。

 「今日からここが俺たちの根城だ!もう雨水をすする必要はない!」と喜ぶジャッカル一味。
 お前が風呂なんか入るから苦労したんだろと思う子分もいたかもしれません。

  
 場を制したジャッカルは右腕、フォックスに子供たちの処刑方法を考えさせます。
 ちなみにこの時フォックスは「はっ!おまかせをジャッカル」と呼び捨てなのですが、
 ジャッカル軍団大丈夫でしょうか。

 フォックスが考え出した方法は、トヨの前で子供たちを一人ずつ絞首刑にするというものでした。
 ジャッカルはトヨを苦しめるため、わざと急所を外して刺したのです。

 台の上で子分がロープを用意し、一人目の子供が殺されそうになる寸前、今度は間に合った
 ケンシロウでした。しかも縛り首にしようとした男を、用意してきたロープでさらに縛り首
 にするという凝った演出をする余裕があります。

 哀れケンシロウに囚われた子分は「ジャストジョークさ」と命乞いしますが、血にまみれた
 トヨの姿を見てしまったので、

 「悪党の泣き声は聞こえんな。貴様は死ね」と絞首刑を敢行しました。
 相変わらず殺すと決めたら容赦しません。

 
 ジャッカルは子供を人質に逃げようとしますが、その前に血気流行ったジャッカルの子分、
 元プロボクサーがケンシロウに戦いを挑みました。

 「あべし!」と三大断末魔の一つを残した秀逸なキャラでしたが、名前がないのが残念。
 
 
 「俺はお前と争う気はない、だからお前が俺を追う理由もないはずだ」とジャッカルは言いながらも、
 二人の子供の背中にダイナマイトを仕込んで放つという、自らの死亡フラグを立てて逃げていきました。

 あわてて子供のダイナマイトを消そうとするケンシロウですが、もう一人が間に合いません。
 
 そこへトヨが高速移動で子供に駆け寄り、強肩を生かしてダイナマイトを空に放り投げました。
 
 しかし爆風から子供を庇ったことで、致命傷を負ってしまいます。

 
 死ぬ間際、トヨはバットに向けてこう言います。
 「お前は他の子供のために村を出た…自ら口減らしになってくれたのじゃろ…お前は本当に優しい子じゃな…」

 お母さん!と叫ぶバットの腕の中でトヨは息絶えました。
 そしてケンシロウは怒りの炎をメラメラと燃やすのでした。 
 

 あらぶるケンシロウは、バーテンに子供たちの面倒を見ることを強制します。嫌がるバーテンでしたが、
 一か月後に死ぬ秘孔を突いた、治し方は俺しか知らんと北斗神拳を悪用。

 おまけに「あんたが生きて帰ってこなかったらどうなる?」との不安の声に、「死ぬよ」と断言。

 「くれぐれも子供たちを飢えさせないでくれ」爽やかに言い放ち、ケンシロウは去っていきました。

 残された子供たちは「おじさーん、おなか減ったー」とゆとり丸出し。
 どうやらトヨが甘やかし過ぎたようです…。

 リン「ケン、もう戻ってこないかも…」
 いや、戻ってこなかったらバーテンが死ぬ。

 
 ケンシロウがしばらく歩くと、ジャッカルの子分二人を見つけました。
 一人はその場で片付け、もう一人はタイマーをセットしてジャッカルの目の前で
 爆発させるようにしました。

 「あれほど追っても無駄だと言ったのに、一文の得にもならないのに…」
 と子分達はケンシロウの行動に疑問を投げかけます。前半のセリフでは逆に相手を煽っていることに
 気づいていないのでしょうか。

 親分、こいつのいたエリアにはフォックスたちがいますぜ、知らせた方がいいですぜと子分Aは忠告します。

 しかしジャッカルは「フォックスが足止めしたら、それだけ俺達が逃げられる」
 
 子分A「フォックスはあなたの右腕では?」

 「右腕?俺の右腕はここにある」ポンポンと右腕をたたくジャッカルは子分たちの信頼度を
 一気に下げたことにも気付かず、「俺は神をも欺くことが出来る」とはしゃぐのでした。


 その頃フォックスは行き倒れていました。

 村人たちは人相悪いからトドメ刺しとくべ、と槍を繰り出しますが、実は死んだふりをしていた
 フォックスは自慢の背筋力で槍をかわし、村人を瞬殺しました。

 「人を殺した後はションベンがしたくなるぜ!」と身体的特徴をアピールしつつ、証明するフォックス。

 すると何やら妙な音が聞こえてきました。なんだこの破壊音は?
 フォックスが訝しがっていると、突然目の前の壁から手が飛び出して来ました。
 
 顔面を鷲掴みにされたフォックスの視界に飛び込んできたのは…!


  
 
 とりあえず社交辞令でこのピンチを乗り切ろうとするフォックス。それもそのはず、今フォックスの
 半身は限りなく無防備な状況にあります。最大の弱点を晒したまま、強敵と闘うのはあまりに無謀というもの。
 
 そんなフォックスの窮状を知ってか知らずか、壁の向こうから出て来たということは事前に
 フォックスがそこいることを知っていたわけですから、現在のピンチも知ってのことと思いますが、
 ケンシロウは委細構わずフォックスの顔面で壁をガリガリと削り取りました。

 

 卑怯者めと刃を向けるフォックスでしたが、肘を一発入れられた時点で早くも諦めました。

 反省と謝罪の土下座を繰り出し、
 「見逃してくれたらジャッカルの行先を教えるぜ」と外交交渉に臨みますが、
 ケンシロウは無理やり口を割らせることを好むタイプでしたので交渉に応じてくれません。
 
 「無抵抗の人間を殺そうと言うのか!」慌てたフォックスは仰向けになって完全降伏のポーズ、
 すなわち跳刀地背拳の構えを取りました。

 これを見たケンシロウはとんでもなくでかい岩石を振りかぶりました。
 
 「跳刀地背拳…敵の虚を突き倒す虚拳、いかにもお前らしい拳法だ!」とフォックス個人のみならず、
 他流派の拳法も侮辱しながら岩石落としです。

 これは背筋力で何とかよけたフォックスでしたが、弱点である背後に回られてサーカスのボールみたいな
 扱いをされてしまいました。弱点というか、それ以前に無理がありすぎる拳法です。

 

 フォックスの背中で遊びながらジャッカルの居場所を聞くケンシロウ。
 なんでも新一とか言う秘孔をついたので、犯人はなんでも自白しちゃうのです。
 真実はいつも一つ!
 
 ジャッカルの行先はビレニィプリズン、であることを確認したケンシロウは、それじゃ死のっか?
 と背後から処刑宣告。

 フォックスはやけくそになって両手を振りまわしますが、ケンシロウに背後を取られているので
 何の効果もありません。

 最後の情けとばかりにケンシロウが体の向きを反転させてくれたので、
 上空からケンシロウに攻撃を仕掛けますが、北斗百裂脚の前に沈みました。

 珍しく寝たまま勝ったケンシロウでした。

 「寝てても勝てるよ」と言って、ホントに寝たのに勝ったボクサーを思い出しますね。


 
 一方その頃、ジャッカルはビレニィプリズン近くのバーで親父に接客を拒否されていました。
 横を見るとケンシロウからの土産であるフォックスの死体が。

 もうあんたなんか怖くないぜ!と猛る親父でしたが、怒りのジャッカルテーブル叩きの
 巻き添えになって殺されてしまいました。なんか殺され損だな…。


 ようやくケンシロウの怖さを知ったジャッカルの子分達は、慌てて逃げようとしますが、
 ケンシロウがマメにバイクのガソリンを抜いたり、トラックの運転手(ジャッカルの手下)に
 時限秘孔を施しておいたり、わざわざビルの上から死体(ジャッカルの手下)を落としたり
 した苦労が実って、手下達はジャッカルの首をケンシロウに進呈することを決意します。

 ジャッカルがフォックスの死体に八つ当たりしていると、子分達が「あんたは仲間を裏切るのが
 得意だったよな?」と襲って来ました。

 ダイナマイトで何とか子分を返り討ちにすることに成功したジャッカルでしたが、気がつくと
 ケンシロウに顔面を踏まれていました。躊躇なく悪党の顔面を踏みつける主人公もなかなかいません。

 「仲直りしようぜ!」と言いながら刃を向けたはいいものの、ケンシロウに敵うはずもなく、
 正真正銘の右腕を破壊されて慌てて逃げ出しました。向かった先はビレニィプリズンです。
 

 「むっ!あれがかつて凶悪犯のみを投獄したというビレニィプリズンか!解説役はまだ登場しないのか!」
 とケンシロウは後を追いました。スタジアムがセットになった謎の刑務所です。

 そこにはジャッカルの切り札、デビルリバースがいました。
 
 「過去700人を殺し、死刑執行13回のすべてが失敗!」ってそれ人間どころか生物ですらないんじゃないの?
 という恐怖の怪物デビルリバースが今解き放たれました! 

 長年牢獄に閉じ込められていたデビルは、元々出来が良くないのもあいまって頭の中には自分を閉じ込めた
 者への憎しみしかありません。
 
 「閉じ込めたのはお前だな」と目の前のジャッカルを鷲掴みにしてしまいます。

 策士ジャッカルは「兄さんだよ!」と嘘八百並べ、ムショ時代にかっぱらっておいたキーアイテム
 「デビルの母親の写真」を使用。さらに天井にダイナマイトで穴をあけ、デビルに光を与えることに
 成功しました。デビルが仲間になった!

 このドラマを一部始終鑑賞していたケンシロウは「名演技だな」となかなかの高評価。  

 次はケンシロウとデビルのアクションシーンです。

 とりあえずいつも通り楽勝だぜ!と飛び蹴りに入ったケンシロウでしたが、あっさりガードされて
 カウンターをくらってしまいます。見かけ倒しだと油断していたのか、結構動揺していました。


 
 しかしとんでもないサイズですね。おそらく北斗の拳最大でしょう。



 「は、速い。そしてこの身のこなし!奴は一体…?」無口な主人公も
 ここは驚きの表現を形にせざるを得ません。

 なんとデビルは五千年の歴史を持つインド拳法「羅漢仁王拳」を習得していたのでした。
 ジャッカルも余裕で葉巻をくゆらせるわけです。サイクロンZの社長か!

 3200年負けたな…と思ったかどうか知りませんが、相手が拳法使いとあっては北斗神拳も
 奥義を尽くさざるを得ません。

 「仁王拳がデビルリバース(悪魔の化身)なら、北斗神拳はインドラリバース(闘神の化身)」だぜ!と
 気合いを入れて上半身を露出します。

 服を破ったのは、北斗神拳奥義「転龍呼吸法」。
 常人は30%しか使えない人間の力を、100%引き出してくれる奥義です。波紋の呼吸法みたいな感じでしょうか。
 でもケンシロウの強さは1000%くらいある気がしますので、ちょっと謙遜しているのかもしれませんね。
 
 
 奥義には奥義で応えようということで、デビルも風使いの能力でケンシロウを吹き飛ばします。

 しかし肉のカーテンを発動させていたケンシロウは全くの無傷。最後はすべての肋骨を内側に
 へし折る(肋骨リバース)という怖い奥義でデビルを沈めました。

 
 「救世主様!よくぞ悪魔を倒してくださった!」とジャッカルは再び謝罪外交に邁進。
 デビルとの兄弟関係を必死に否定しますが、まだ生きていたデビルに鷲掴みにされてしまいます。

 アニキ(ジャッカル)に助けを求めるデビル、ジャッカルは必死に逃れようとしますが、
 ここでケンシロウが奥義火のついたダイナマイトリバースを発動させます。
 
 ジャッカルは散々自分を救ってくれたダイナマイトによって、二人仲良く爆殺されたのでした。


 やつらのために祈る言葉はない…



 ジャッカル編 終  
 

 
 牙一族編

 
 時は正に世紀末。

 毛布で顔を隠しただけなのに、女装と言い張るガタイの良い兄さんと
 それにうっかり釣られてしまったザコの皆さんが戦っていました。

 瞬く間にスライスされていく悲しいザコ達。

 「あれは南斗水鳥拳!」ザコの中でもリーダー格の、南部虎弾みたいなのが
  解説してくれます。いよいよ1,2の人気を争うレイが登場ですよ。

 
 どうでもいいキャラなので小さくしました。


 南部さんは十字剣ヌンチャクで攻撃しますが、うかうかしている間に
 両腕を盗まれてしまいました。

 受難はこれだけに終わりません。突然胸倉を掴まれたかとおもうと、
 シャツを引き裂かれてしまいました。

 やばい、ホモだ!犯される!と電撃ピンチを覚悟したところ、ホモは
 「ない!」という予想外の言葉を発しました。

 ひょっとして南部さんが男装している女性かと勘違いしたのかもしれません、
 それで女性かどうか確かめてみた、ということではなく、胸に七つの傷を
 持つ男を探しているようでした。
 
 南部さんが放映できない召された方をされている一方、最強なのになかなか
 1位人気が取れない主人公が帰って来ました。今回も無事どこかから服を調達
 したようです。

 ケンシロウのいない間、バットやリン暗躍の甲斐あって子供たちを受け入れて
 くれる村が見つかったそうです。

 見ると温和そうな好々爺が子供に慕われていました。ケンシロウと握手を交わす老人。
 店の奥からは慌ててバーテンが飛び出して来るという心和む一面です。
 
 子供たちの面倒を見るには条件があり、村を狙う野盗をどうにかして欲しいというものでした。
 
 まあ余裕だなと村に行ってみると、なんとこの不毛な世界に忘れられた花が咲いているではありませんか。

 ケンも見てみろよ!とバットがうるさいのでしぶしぶ行ってみると、なんとそこにはユリアが!

 なぜだ、ユリアは死んだはずでは!?また百式じゃねえだろうな?
 
 訝しがりながら凝視するケンシロウに対し、ユリア似の女性は人払いをしたかとおもうと、
 突然ケンシロウに殺人ヨーヨーを繰り出しました。

 ケンシロウが指二本でキャッチしたことで、用心棒試験は合格判定のようでした。

 「今までほとんどの男がこれで額を割られているわ」とマミヤは余罪を自白して
  去っていきました。

 「あのスケどっかで見たことあるぜ」とバットがシン編を思い出しているところへ、
 凶悪な顔をした男が近づいてきました。

 「今のはお前の女か?」
 「もし貴様の女だったら他人に取られんようにするんだな!」
 「俺の名はレイ。覚えておくがいい!」

 一人でしゃべって去っていきました。

 レイはもう一人の助っ人のようです。しかし「奴は大悪党だぜ!」とリンとバットの評判は最悪。
 ケンシロウも一緒になってレイの悪口を言いました。

 まあ実際レイは、暑そうな毛皮を被った悪党どもが雇ったスパイです。


 場面変わって、リンとマミヤの入浴シーンです。まさに荒野に咲く花。

 マミヤ「リンちゃんはどうしてあんな人と旅をしているの?」   

 リン「うーん…あったかいの…」

 マミヤ「あったかい?奴が?」

 と、マミヤが意外と節穴なところ披露していると、いつの間にか背後にレイがたたずんでいました。

 どんだけ堂々とのぞいてんだよ!とマミヤ怒りのダブルヨーヨー、多分乳の間にでも挟んでた、
  を繰り出しますが、水鳥拳の前には玩具同然、特に今は集中力が違う!と両断されてしまいました。

 「人を呼ぶわよ!」と焦るマミヤに対し、「呼ぶがいい。来た人間が死ぬだけだ!」と腕力にものを言わせるレイ。
 
 追い詰められたマミヤは捨て身の右ストレートを放ちますが、
 
 スウェー→髪引っ張り→バスタオル剥ぎ取り→「うむ、いい眺めだ!」
 
 と恐るべきコンボが炸裂しました。
 おそらく水鳥拳の中でも最終奥義に近い位置にあるものと思われます。


 

  ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!  
 レイは優しい瞳で呟きました。
 もちろん視線は山のフドウですよ。

 →少年詩では掲載できない奥義、に続くかと思われましたが、忌々しいことにそこへ野盗襲撃
  という水入りが入ってしまいました。レイも渋々現場に向かいます。

 この場はリンが「今のあの人の目は優しい目だった…なぜ?」とまとめてくれました。
 女子供にはわからぬ。
 
  

 
 一応隠すリン

 

 現場ではケンシロウがあたたたた!と仕事していました。

 ケンシロウの暴力に野盗が足踏みしているところへ、レイが駆けつけてくれたので
 野盗は大喜び。

 さっそく頼むぜ、とレイを頼りにする野盗をナマス切りにするレイ。どうやらマミヤの
 パイパイで気が変わったみたいです。

 南斗水鳥拳と北斗神拳、ケンシロウとレイが互いの所属を知ったところで、野盗は
 とんずらしていきました。

 レイがスパイであることを見抜いていたケンシロウは、なぜ裏切ったのかをレイに尋ねます。
 
 強い方に寝返っただけ、それは胸に七つの傷を持つ男を殺すまで生き続けるためだとレイは言いました。
 
 こりゃうかうか転龍呼吸法使えねーなとケンシロウが悩んでいると、逃げたと思った野盗、牙一族が
 大部隊を連れて戻って来ました。

 村人コウを人質にとった牙一族は見せしめにコウを処刑しようとします。

 村の男達はコウを助けようとしましたが、
 「今出て行けば奴らの思うつぼ、捕まったのはコウの自己責任!痛みを伴う構造改革!」
 と冷酷なマミヤの命によって、止められます。

 ここで「よし、俺の出番だな」とケンシロウが出て行こうとしますが、今出て行ってもコウは
 殺されて、野盗にはマシンで逃げられるとレイに止められたのでやめました。

 結局コウは殺され、「用心棒ども、次はお前らだぜ!」と牙一族は去っていきました。

 ケンシロウは怒りの筋肉膨張でリストバンドを破き、コウへの弔意とするのでした。


 コウの遺体を前に涙する村人たち。対してマミヤは涙一つこぼしません。
 
 レイは「あの冷徹さはかえる!」と「買える」と「蛙」を微妙にかけた発言をしますが、
 「あんたらは何もわかっちゃいない!」と村人に総スカン食ってしまいます。
 ここは何も言ってないのにひとくくりにされたケンシロウが悲しい。

 しかし村人の態度も当然、なぜならコウはマミヤのたった一人の弟だったのです…。

 両親の墓前でコウの死を報告するマミヤ。長老は「こういうときは泣いてもいいんじゃよ」
 と慰めますが、マミヤは、私には皆の命を守る義務があるから泣いている場合じゃないと
 気丈に振舞いました。

 しかし長老が去った途端、
 「そう言えば今日はあの子の15歳の誕生日でした…」こらえきれず涙をこぼすのでした。

 
 この光景を見ていたケンシロウとレイは、各々さっそく牙一族狩りを始めました。

 まずケンシロウはコウの首飾りを奪った牙を捕獲し、
 「本隊はどこだ、答えんと死ぬぞ」と死の宣告。自発的に答えたけど殺されました。
 
 無事首飾りを回収したケンシロウは、高台でレイを狙っていたスナイパーを
 踏み潰しつつ、利のないことには動かないレイがどうしてここに…?と
 首をかしげました。


 「今日はなぜかお前らを殺したくて仕方がない…」
 恐怖のレイシズムによって牙達は消えていくのでした。

 闘いも終わり、「いやー、北斗神拳使いかー」と二人でお茶しながら、ケンシロウは
 さりげなく胸に七つの男を追っているわけを尋ねます。とりあえず理由を聞いてみないと
 いけません。
 
 するとレイは自分が殺してきた男たちの帰り血で染まった血染めのケープを取り出しました。
 これはさらわれた妹のアイリが付けるはずだったもので、さらったのは胸に七つの傷を持った
 男ということしか分かっていないそうです。

 ここだ、ここで決めるんだ!
 「もし、俺の胸にも七つの傷があるとしたらどうする…

 衝撃の告白に驚くレイでしたが、悪い冗談だぜ、俺は目を見ればどんな男か分かるぜ、と流しました。
 
 そこへリンとバットがオート三輪で迎えに来ました。何気にバットが運転しているのは大したものです。

 
 村ではコウの葬儀がとりおこなわれていました。

 ケンシロウはマミヤにコウの首輪を渡し、「殆どレイがやったのだ」とレイの印象アップをサポート。
 レイはニヤニヤしてました。

 牙一族皆殺しだー!とマミヤが村人を煽っていることに疑問を持ったリンは、どうして女なのに
 マミヤが頭なの?と名ばかりの長老に聞きました。

 それは、この村は元々マミヤの両親が作ったものなのだからだそうです。
 結局自分の子を世襲させるんじゃねえか、何が自己責任だよ!

 世襲制に対する長老の嘆きが空に響いていた頃、同胞の死を嘆く牙一族の声もこだましていました。

 おやじと呼ばれる牙大王も激しく慟哭します。どうも牙一族はみんな大王の子供っぽい感じです。

 子沢山の大王はこの苦しみを味わわせるため、ケンシロウとレイの身内を捜せ!と子供たちに命じるのでした。

 
  このモデルは…


 村では各々戦闘前の憩いの時を過ごしていました。
 
 「マミヤさん、好きな人いないの?」リンは修学旅行の夜みたいな質問をしましたが、
 「そんな時代はとうに過ぎたわ!」と全面否定されます。

 この様子をじっと見ていたケンシロウ、レイ、そして長老のうち、レイが名乗りを上げました。
 
 「お前が戦うことはない、お前は女だ」とマミヤを止めるレイ。

 「私はとうに女を捨てたわ!あなたの目の前に立っているのはただの戦士マミヤよ!」
 

 その言葉待っていた!

 南斗究極奥義「女でなければ胸を隠す必要もない!」

 迸る水鳥拳の烈風が瞬く間にマミヤの衣服を引き裂いた!!

 
 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!


 「いいか、女は自分の幸せだけ考えていればいいんだ!」血染めのケープをマミヤに被せ、
 「俺が帰ってきたら純白のケープをプレゼントしよう!」と言い捨てて強制猥褻犯は
 去っていきました。ちなみにケープはスケスケです。

 シャレになんねえだろ…とマミヤが呆然としていると、
 「いいオッパイだったよ!」と後ろからケンシロウが透けないシーツを被せてくれました。

 長老とバットは泣いてました。( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
 
 
 
 その頃牙大王は、北斗の男には身内なし、南斗の男には妹がいると言う報告を受けていました。
 まあラオウとか連れてこられても困りますしね。

 
 牙一族殲滅作戦出発に備え、レイが靴の紐を縛っていると、小さな兄妹がギブミーチョコレートして来ました。
 
 どこまでも妹汁なレイはチョコレートを兄に渡してあげました。

 兄は半分に割りますが、ちょっと大きさが違ってしまいました。
 
 多い方を食べたいが、しかし…と葛藤する兄。
 じっと兄を見つめる妹。
 怖い顔で睨むレイ。

 
 わかってんだろうな?



 結局兄は大きい方を妹にやる苦渋の決断を下しました。無理もない…。

 
 じゃあ、レイ、皆殺しに行こうかということでケンシロウとレイが出発すると、マミヤが
 懲りずに付いてきました。

 しかし昨日のお礼もしないといけないということで、二人はマミヤの同行を黙認しました。
 
 
 その頃牙大王はレイの妹アイリの囚われている野盗のアジトに殴り込みをかけていました。
 
 アイリ提供要求に対し、野盗頭は大王の顔をぐりぐりと踏みつけて拒否します。なぜか大王は
 この足踏みを慎ましく甘受。

 ところが気付いたら野盗の部下を皆殺しにされていたので、実はデスバトルの不敗チャンプだった
 怒りの頭は大王に向けて石柱攻撃をかましました。
 
 
 
 

 しかし大王は頭が丈夫だったのでものともせず、逆に愛の頭突きでチャンプを倒し、
 アイリをさらっていきました。

 
 一方、レイ一行はキャンプをしていました。
 
 ケンシロウは目下爆睡中、マミヤはそのケンシロウを「こんなところでよく寝れるわね」
 と罵倒し、レイも「奴は無神経だからな」と同調していると、マミヤに向かって矢が飛んで
 来ました。

 ここは内心ムカムカしながら、しかし寝たふりせざるを得なかったケンシロウがキャッチしました。
 レイは反応出来てませんでした。
 
 不意にライトが照らされ、一人の女性が浮かび上がりました。

 …あれは!

 なんとレイの妹アイリ!

 槍のトラップにも気付かず、喜び勇んで駆け寄るので、ケンシロウがなんとか止めました。
 全くもって隙だらけです。

 ケンシロウに羽交い締めにされながら、暴れるレイ。
 レイの呼びかけに、アイリは「新しいご主人様」と完全にアキバ系隷属に心を閉ざしています。

 これを見てますます発狂したレイにケンシロウもさじを投げ、自由になったレイはアイリに
 血染めのケープを投げ渡します。

 ケープの刺繍によって兄だと知ったアイリでしたが、肝心のレイの姿を見ることが出来ません。
 
 アイリはその過酷な境遇から自らの視力を断ってしまっていたのでした。

 アイリの前に立ちふさがる雑魚を存分に切り刻んだレイでしたが、すんでのところで崖の上の大王。
 の鞭によってアイリが捕獲されてしまいました。
 
 大王はアイリに刃を突き付け、息子を殺された俺の苦しみを味わえとレイを嬲ります。崖の下にいる
 レイは近づくことも許されず、見に回るばかり。

 ところが突然牙一族の中でも扱いに困る暴れん坊マダラが叫びだしました。なんであんな危ないの
 連れてきたんだ?と大王が困るくらいの凶暴なマダラでしたが、ケンシロウの目力で発奮してしまったようです。

 迫りくるマダラに対し、

 
 被保護者扱い。


 
 今回の主人公は俺ではないのか…


 違う




 いつの間にか格付けが済んでしまったようで、レイも動揺を隠せません。


 マダラは鋭い牙と爪で攻撃を仕掛けますが、パンチとキックで相手にしてもらえません。
 怒ったマダラはケンシロウの肩パットを剥ぎ取ることに成功。

 

 そして「こいつは肩パットの分だ!」とあっさり殺されました。
 
 怒り冷めやらぬケンシロウは「その女を殺すなら殺せ。俺はお前を殺すだけだ」と
 レイの横でとんでもない暴言です。よほど肩パットの恨みが大きいと思われます。

 格下になったレイはおろおろするより他なかったのですが、ここはマミヤが
 「身内ならいるわ!」と虚偽告発。

 まさかリンとかバットじゃねえだろうな、ジャギだったら身内と思ってねえぞ等と
 ケンシロウが考えていると、「私がフィアンセよ!ぶちゅっ!」とケンシロウに接吻。
 レイは完全に背景です。

 
 
 
 どういうつもりだ…ってアンタ…
 しかも明後日の方を見ている。

 
 めげないマミヤは「まかせて!」と人質交換を提案しました。

 ケンシロウは止めようとしましたが、
 「マミヤが妹を助けてくれたら俺の一生をあの女にくれてやってもいい」とレイが言うので、
 ここは保留することにしました。でもレイはマミヤにロクなことしてないので、嫌がると思います。


 大王のところまで来たマミヤは、衝動を抑えきれず襲ってきた牙二人をスケバン技で殺害。
 改めてみるとマミヤも立派な戦士です。

 アイリを開放してもらったところで、ついでにお命頂戴!と大王を攻撃しますが、ことごとく
 通用せず、熱く抱きしめられてしまいました。
 
 丈夫な体の秘密は相撲の源流のひとつ「崋山角抵戯」。瞬時に体を固く出来る特殊能力ですが、
 まあ相撲にはあまり役立たなそうです。

 アイリとマミヤ、人質が二人になってしまいました。大王は牙集団の中に二人を放り投げますが、
 マミヤが タイガーニー決めたりして落着きがないので、二人とも岩に縛り付けられ、ダーツの
 的にされてしまいました。

 この様子をじっと見つめるレイとケンシロウ。
 
 今にもうんこが漏れそうな顔のレイに対し、ケンシロウは汗一つかいていません。
 俺の唇奪いやがってと、内心憤っているのかもしれません。

 マミヤはナイフを自力で避けたりして相変わらず強いのですが、アイリは今にも殺されそうです。

 「アイリだけは!」と関東土下座組の姿勢を取るレイ。
 大王は「なごむわー」とご機嫌の様子。

 しかし肝心のケンシロウがうんともすんとも言いません。
 それどころか今にも「ホントは俺の女じゃねーよ」と暴露しそうな勢いです。

 これを見てブラフだと見抜いた牙一族一の切れ者、でも頭は悪そうな男が
 「こいつが俺の体に指一本でも触れたら女を殺してくれ」とパパにおねだりしました。

 
 まずはツバ攻撃。
 
 次に剣で胸チクチク攻撃。

 
 我慢終わり。


 恐ろしく我慢弱いケンシロウはあっさり殺してしまいました。

 しかしケンシロウも何も考えてないわけではありません。どうやらケンシロウが人質を助けよう
 としなかったのは、人質が殺されたら牙大王達もケンシロウに殺されてしまうから、大丈夫という
 ことだそうです。

 ・大王がケンシロウ達を恐れている
 ・自分の拳に絶対の自信を持っている
 ・人質が一人

 以上の条件の上にしか成り立たない穴だらけのケンシロウ作戦なので、
 
 
 マミヤも自力で頑張ってました



 どうせブラフだろと傍観決め込むケンシロウでしたが、レイとしてはうっかり妹を殺されたら
 たまったものじゃありません。むしろレイの方が冷静に判断出来ています。

 レイの嘆願に対し、閃いた大王はケンシロウと戦うことを命じました。

 ケンシロウは、俺たち二人を敵に回したら大王たちもお陀仏なのを知っているから、
 大丈夫だと言いますが、この世に妹ほど価値のあるものはないレイは耳を貸しません。

 覚悟!とケンシロウに向かって両手を振りまわすレイ。触れる物皆切り裂くレイの手に、
 さすがのケンシロウも汗をかいてよけます。

 大王の分析では二人の実力は五分五分なので、相討ちを予想しています。
 俺は天才だー!と自画自賛の大王です。

 一切手を出そうとしないケンシロウに対し、相手にしてもらえない恐怖からか怒るレイ。
 
 しかしケンシロウはレイが弱いから本気を出さないのではなく、ケンシロウも一人の女のため
 だけに生きたから、レイとは戦いたくないということでした。

 レイのアイリに対する思いは兄以上のものだと思っているのかもしれません。

 色々と動揺するレイでしたが、やきもきした大王が急かすのでやむを得ずケンシロウに襲いかかります。

 それを止めようとアイリが舌を噛んだり、マミヤが槍の上にダイブしようとしますが、牙一族の
 必死の救助のおかげで事なきを得ました。

 時は来た!とばかり、突然ケンシロウが構えを取り始めました。
 「この構えは!」とレイも何かを閃いた様子。

 二人は南斗虎破龍、北斗龍撃虎という分かりやすい名前の奥義で互いに攻撃し、相討ちとなって倒れました。
 
 牙達が恐る恐る二人の体を調べてみると、無事死亡確認!
 喜び勇んで牙達は寄ってたかってレイ達の遺体に刃を突きたてます。
 この感動的な光景に大王は涙を流して喜びました。

  

 

 「よーし、女どもを殺せ!」と大王の命令が下され、「よるなバケモノ!」と気丈なマミヤは
 アイリをかばおうとしますが、襲いかかる牙達は何故か突然死に襲われました。

 なんと先ほどの相討ちは互いの秘孔を突いて仮死状態になる為のものだったそうです。

 何でそんな奥義あるんだよ!どんな状況で使うんだよ!と理不尽さに怒った大王は、呼吸法で
 切り札「超丈夫な体」に変身。
 
 全身黒くなった大王を前に、ケンシロウは

 
 

 
 
 
  なぜだ…


 ケンシロウは大王の耐久度を試験するため、地面をから鉄骨をサルベージしました。

 「そんなもん通用するかー!」と大王が喜び勇んで突進してきたところ、顔面に北斗鉄骨!
 でしたが、なんと鉄骨が飴細工のように曲がってしまいました。

  
 ちょっとカッコ悪いケンシロウ


 大喜びの大王に、ケンシロウはやれやれだぜと拳で料理することを宣言。ベコンベコンと大王の顔面を
 ぶん殴りましたが、物理攻撃は効果がないようです。水鳥拳が通じるかどうかも微妙なところです。

 ここでケンシロウは再び別の鉄骨をサルベージし、トライアゲインと大王に振り回しました。

 余裕綽々で受ける大王でしたが、今度は体の真ん中まで鉄骨が介入してしまいました。
 
 先ほどの顔面パンチで突かれた秘孔、大胸筋によって自慢の筋肉が全て脂肪に変えられてしまったのでした。
 長年の修行を台無しにするいやらしい奥義です。

 
 こいつはさっきの鉄骨の分だ!と大王を嬲るケンシロウ。

  
 喝!



 「わしがいれば何ぼでも代わりは作れるわ!」追い詰められた大王は息子たちを投げて、逃げる
 ための時間稼ぎをしようとしました。

 慌てて逃げる牙達でしたが、活躍の場を探していたレイによって葬られました。

 そろそろ牙編もお開きにしようか、と大王に迫るケンシロウ。
 
 大王は「村に手出ししないから勘弁してくれ」と命乞いをしますが、「だめだ!」と力強く却下。
  
 「貴様には情ってもんがねえのか!」と心に響く大王の声も、「お前にかける情はない!」とけんもほろろ。

 ピンチに思われた大王でしたが、ここで悪党の常備アイテム手榴弾(プロジェクトAタイプ)を
 登場させました。
  
 
 
 プロジェクトAのボス、めっちゃ強かったですね。



 「言い忘れてたけど、そろそろ貴様の筋肉逆に硬直して動かなくなるから」
 ケンシロウ痛恨の告知ミス。

 爆発寸前の手榴弾を握った手が、開いてくれません。大王の右手は吹っ飛んでしまいました。

 しかもすでに大王の体は死に始めていたので、痛みを感じません。大胸筋を突いた時点で、
 タイマーをかけていたようです。

 「あと五秒で死ぬから」と例によって死のカウントダウンを開始したケンシロウに対し、大王は
 最後の愛の頭突きを繰り出しますが、迎撃チョップによって自慢の頭をハードな逆モヒにされるのでした。
 
 
 結局大王はケンシロウに何も出来ませんでした。

 ( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!

 牙一族編 終